出版社の一つ。1971年に松岡正剛が創業。 1971年代〜1982年に刊行されていた雑誌『遊』は、従来の教養を否定する「オルタネィティブな知」を提唱し、松岡のカリスマ性もあり、当時の若者たちに大きな影響を与えた。 1982年に『遊』休刊、そして松岡が退社した後は、わりと普通の「いい出版社」に。
*リスト::出版社
オデッセイ1971‐2001―工作舎アンソロジー
生命とストレス超分子生物学のための事例ハンス・セリエアルバート・セント=ジェルジ 序文 細谷東一郎 訳工作舎1997年7月30日 カタリン・カリコさんの本を読んでいたらでてきたサイエンティスト。 megureca.hatenablog.com カタリンさんが、ハンス教授の「自分にできることに集中して、他の人を気にしない」という言葉に習ったということ。そして、観察することの大切さ。 分子生物学をやってきた私としては、ハンス教授がどんな研究をしたのかを知りたくなったので、図書館で借りて読んでみた。1997年の本なので、結構、年季入っている。 表紙の裏には、”ストレス学説の創始者 ハンス・セリエが、…
「ヒトよりも知能の高い存在が現れること」は、そんなに恐ろしいことか? この記事では、超知能AIへの懸念がどれくらい妥当なものなのかを考察しましょう。AIを「正しく恐れる」ことはできるでしょうか? 高性能なAIに対する恐怖は、大きく2種類に分類できるでしょう。 具体的な恐怖と、漠然とした恐怖です。 たとえば無人の攻撃ドローンが誤作動により間違った人物を殺害したり、自動運転車が事故の瞬間にトロリー問題(トロッコ問題)を上手く解けなかったり、医療用AIが誤診したり――。AIが高性能になり普及するほど、そういう事故が現実味を帯びます。これらに対する恐怖が、具体的な恐怖です。こうした危険性を抑えるために…
一条真也です。『恐怖の正体』春日武彦著(中公新書)を紹介します。サブタイトルは「トラウマ・恐怖症からホラーまで」です。著者は、1951(昭和26)年、京都府生まれ。日本医科大学卒業、医学博士.、産婦人科医を経て、精神科医に.、都立精神保健福祉センター、都立松沢病院,、都立墨東病院などに勤務.。多摩中央病院院長,、成仁病院院長を経て、同名誉院長。甲殻類恐怖症で、猫好き。著書多数。 本書の帯 本書の帯には児嶋都氏のイラストが描かれ、「知りすぎてはいけない――」「右も左も恐い。前も後ろも怖い。上も下も畏い。そんな方はご一読を。数多のコワイを集めて春日先生が暴きます。でも、今度は正体がこわい。 京極夏…
超知能AIの暴走リスク このブログではAIの歴史と現在、そして近未来について考察してきました。 今回の記事では、もう少し先の未来――AIが人間と同等かそれ以上の知能を身に着けて、「超知能」となった時代の話をしましょう。 超知能AIの暴走は、サイエンス・フィクションでは定番のテーマの1つです。 たとえば映画『ターミネーター』は、自我に目覚めたAI「スカイネット」が人類に反旗を翻し、機械の軍隊で襲い掛かるという設定でした。映画『マトリックス』は、人類は薬漬けで眠らされて、一生を夢を見ながら過ごすという設定でした。機械の目的は、人体から出る微弱な電流を電源として利用することでした。ビデオゲーム『デト…
【今日のおすすめの本】(対象…大人) 『平行植物』 レオ・レオーニ 作 宮本淳 訳 工作舎 芽吹きの季節。植物が生き生きし始め、心地よい気分になります。 この時期に読みたくなるのが、スイミーやフレデリックでお馴染みのレオ・レオニ氏による、幻想の庭・想像の山野に繁茂する数奇な植物たちの博物誌『平行植物』です。 幻想の庭・想像の山野……つまり、これはレオ・レオニ氏がでたらめに作った実際には存在しない想像上の植物について、リアルな挿絵とともにものすごく真面目に解説している、世にも奇妙な学術書なのです。 〈目次〉 平行植物図版集成はじめにーレオ・レオーニ主要平行植物一覧表 第1章平行植物とはなにか第2…
宮城県・石巻市発注の公共工事 市職員2人、会社員1人入札情報を漏洩し逮捕 2024年の石巻市公共工事の発注:背景と詳細 3人の職員の行動:詳細と逮捕までの経緯 石巻市職員による入札情報の漏洩:影響とその後の動き 宮城県・石巻市発注の公共工事 市職員2人、会社員1人入札情報を漏洩し逮捕 宮城県・石巻市発注の公共工事において、市職員2人と会社員1人が入札情報を漏洩し、逮捕されました。この事件は、公正な入札プロセスを妨害する重大な問題となりました。以下に、詳細な情報をまとめます。 2024年の石巻市公共工事の発注:背景と詳細 背景: 2024年の石巻市では、さまざまな公共工事が発注されました。これら…
どこで「現代」を線引きするか 前回までで、歴史紹介を終えてもいいと考えていました。 18世紀後半から始まった産業革命により、人類文明は「発明が発明を呼ぶ」という状態になりました。この発明の連鎖は、現在でも終わっていません。数万年〜数百万年というスケールで見れば、トレヴィシックやスティーヴンソンが蒸気機関車を走らせていた時代と、現代とは、同じ時代区分に含めることができると私は考えています。 ダーウィンの著作を読むと、その思考が現代的であることに驚かされます。あるいは、世紀の変わり目ごろに書かれた『シャーロック・ホームズ』シリーズを読むと、登場人物たちの価値観は現代とほぼ変わりません。事件の真相を…
鉄道はすべてを変えた 1836年10月、チャールズ・ダーウィンが5年におよぶ世界一周の旅から帰宅したとき、屋敷で彼を出迎える人はいませんでした。時刻はすでに深夜で、家族も使用人も寝静まっていたのです[1]。この時のダーウィンの移動手段は主に馬でした。時刻表通りに運行する鉄道とは違い、馬車は所要時間がまちまちです。そのため正確な帰宅日時が分からなかったのです。 それからわずか6年後の1842年、ロンドン近郊のダウン村に屋敷を買ったとき、ダーウィンは物件選びの条件の1つに、駅から近いことを挙げていました[2]。結婚と短期間のロンドン生活を経て、鉄道が必要不可欠になっていたようです。 ここからも、鉄…
⑤チャールズ・ダーウィン『種の起源』(1859年) 科学と宗教が未分化だった時代 17世紀、ニュートンもハレーも自分たちが(現代的な意味での)「科学」を研究しているという自覚はありませんでした。なぜなら、当時は科学と他の諸分野が分離していなかったからです。たとえば「Scientia est potentia」というラテン語の格言は、「知識は力なり」と和訳されます。ラテン語の「scientia」は英語の「science」の語源ですが、もともとは「知識」全般を意味する単語だったのです。現代的な「科学」の概念が確立したのは19世紀です。 ニュートンもハレーも、天地創造のときに神が定めた天体の運行規則…
本日は楽さん会の4月お花見散策会であった。午前10時30分に小田急多摩線はるひ野駅に集合した。総勢5名で多摩よこやまの道か桜ひろば、桜の丘を経由して若葉台の豚カツ和光でランチ会をした。 帰宅して、昨日(4月5日)届いたSS先生からのメールに添付の「ハザール」(城田俊、水声社)に対しての下斗米伸夫さん(神奈川大学特別招聘教授)による書評(公明新聞、4月1日)を読んだ。この書評は著者からの献本を読んで下斗米伸夫さんが自ら書いたのだろうか?タイトルは「ウクライナのユダヤ人とは誰か」というものだ。 城田さんの『はざーる』に対する本格的な書評(紙媒体)は初である。公明新聞という媒体も適切と思う。ロシアの…
展覧会『神田梓「それは広く、肉体を持たずに」』を鑑賞しての備忘録フリュウ・ギャラリーにて、2024年3月29日~4月3日。 人形や種々のオブジェのある室内や戸外を描いた絵画で構成される、神田梓の個展。 《私のパストラル》(1167mm×910mm)は、画面上部左右がカットされた六角形の画面に、生垣に囲われた狭い草地に螺旋階段が設えられ、その脇に袖口がプリーツのクリーム色のシャツと黒いベストを着用した首のない人形と羊の置物が置かれてた光景を描いたもの。画題「パストラル」から羊飼いを描いた田園画(pastoral)と知られる。パストラル(pastoral)は、ギリシャ語で牛飼いを意味する"βουκ…
インプロヴィゼーション: 即興演奏の彼方へ 作者:デレク ベイリー 工作舎 Amazon デレク・ベイリーが1974年にBBCのラジオ番組でおこなったインタヴューをもとにした本。インタヴュー対象者は、インドの伝統音楽の奏者、スパニッシュ・ギター、ロック・ギタリスト(スティーヴ・ハウ!)、古楽のオルガン奏者、現代音楽の作曲家、ジャズ・ミュージシャン、そしてベイリーと活動をともにした演奏家たち、と「即興」というキーワードで関連しながらも、まったく違った音楽ジャンルの人々が登場する。基本的には、歴史の本、あるいは比較音楽学的なものとして読むことができ、すべての音楽が即興としてはじまったであろうところ…
わたしはイモムシ 桃山鈴子 工作舎 図鑑カフェの本 いつも行く博物館の図鑑カフェで見つけた! イモムシの体表の展開図が素晴らしい。解剖図ではない。写真や写生では同時に見る事の出来ない背側の模様と腹側の腹脚が続けて一枚に、精密な点描で描かれている美しいアート作品だ。いつも見慣れているツマグロヒョウモンの派手な幼虫が展開されていて、見入ってしまった。イモムシ展開図だけでも30種あまり、食草とイモムシのライフサイクルを組み合わせたテキスタイルのデザイン、山水画風のイモムシなど。久しぶりに、「この本が欲しい」という所有欲をそそられてしまった。本は四千円以上するのであきらめたが、何処かで原画展を見たいも…
『シャンバラの秘宝』 Zファイル (玉井禮一郎)(たまいらぼ出版) 1998/6 <仏典「法華経」にも記述されている「地底世界(シャンバラ)と地底人」の実地踏査の簡潔な報告。> <ブラジルのロンカドール山脈の謎。ブラジルはUFO多発地帯。> ・「法華経」の予言のハイライトは、巨大な宇宙船の地球来訪(宝塔品)とおびただしい数の地底人(従地涌出品)の出現の二つですが、それが今世紀末から来世紀初頭にかけて、われわれの肉眼で見える形で実現するということで聖書などの諸預言も一致しております。 「世界の宗教のルーツは地底王国(シャンバラ)に」 「私は過去40年間という時間の大半を法華経の探求に費やしてきた…
私個人の「行動哲学について」ブログ第37回記事に取り上げましたが、最近の学びの中で、新たな観点の必要性に気付きました。それは理詰め(頭デッカチ)でなく、人間が本来持っている「感性」とか「野性」とかをもっと大事にすべきでは、という点です。 人間の本能・本性・本質が人の思考・感情の原点にあり、我々の行動は面白い・楽しいなど興味・関心・好奇心と併せ、動き回りたいという欲求が出発点だからです。つまり、「知性・感性・野性」のバランスが重要との認識です。以下、参考にした文献情報です。 ・・・・・・・・・・・・・・・アメリカの医学博士ポール・D・マクリーンが提唱した「脳の三位一体論」という仮説に興味が有りま…
ここでは、本ブログで全集に触れている記事へのインデックスを作成します。 リンクがない項目は、将来記事をつくる予定です。 なお、個人名を冠した全集については、当該人物の姓の五十音順で並べます。 【あ】 ・『アインシュタイン選集』(全3巻、共立出版)・『アウグスティヌス著作集』・『安部公房全集』(全30巻、新潮社)・『ベッカー版アリストテレス全集』・『新版アリストテレス全集』(岩波書店)・『ハンナ・アーレント批判校訂版全集』