ゆうれいがいなかったころ (偕成社の創作文学 23)作者:岩本 敏男偕成社Amazon昭和アングラ児童文学界でもひときわ異彩を放っている岩本敏男による創作民話集。1979年、偕成社刊。死者が登場する作品が多数収録されています。作中のセリフは「」でくくられておらず、語り手と作中の死者や生者の声がとけあい響きあっているようです。 第一話「鬼がむかえに」では、人が死んだら鬼が走って迎えに来て黄泉の国に連れていかれるという設定になっています。根別という樵が死んだとき、三日経っても鬼は現れず根別は目をあけて声を出したので、両親は根別が生きかえったと喜びます。そこへ鬼がやってきて、両親の抗議もきかず根別を…