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山椒大夫

(読書)
さんしょうだゆう

 森鴎外の小説。初出:大正4年1月「中央公論」
 説教節正本「さんせう大夫」などによって山椒大夫伝説は今日まで伝えられている。この作品のあらすじは、その伝説によって構成される。鴎外は、ところどころを近代的に合理化して、すぐれた作品にまとめあげた。
 鴎外は、古伝説の神仏の奇跡を控えめにして、人間の意志と行動力にウェイトをおいた。厨子王を逃して死ぬ安寿は、自己犠牲の美しさを示している。また、この作品には感動的な場面が多いが、とくに「ふたりはぴったり抱き合った。」という最後の一節の効果は、名文として知られている。

 

山椒大夫・高瀬舟 (新潮文庫)

山椒大夫・高瀬舟 (新潮文庫)

山椒大夫・高瀬舟 他四編 (岩波文庫 緑 5-7)

山椒大夫・高瀬舟 他四編 (岩波文庫 緑 5-7)

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