リスト::学者::人文科学
英文学者,演劇評論家。 文京学院大学客員教授,東京芸術劇場館長(1993年〜)。 シェイクスピアの全戯曲を翻訳したことで有名。
1930年,満州生まれ。 東京大学英文学科卒。1956年,東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。 國學院大学講師,津田塾大学講師を経て,1968年より東京大学教養学部教授。1991年,東京大学名誉教授。 『シェイクスピア全集』で1980年度芸術選奨文部大臣賞受賞。1995年紫綬褒章受章。2002年文化功労者に選ばれる。
岡健さま、浦井健ちゃん、亀ちゃんたちの 新国立劇場 シェイクスピア、ダークコメディ交互上演(新国立劇場 中劇場) 尺には尺を/Measure for Measure終わりよければすべてよし/All's Well That Ends Well スケジュール出ていました! 【作】ウィリアム・シェイクスピア【翻訳】小田島雄志【演出】鵜山 仁 岡本健一 浦井健治 中嶋朋子 ソニン 立川三貴 吉村 直 木下浩之 那須佐代子 勝部演之 小長谷勝彦 下総源太朗 清原達之 藤木久美子 川辺邦弘 亀田佳明 永田江里 内藤裕志 www.nntt.jac.go.jp
今日は文化の日である。子供の頃、日本国憲法が公布された日と教えられたが、父親の子供の頃は、明治節といって明治天皇の誕生日を祝していたと聞いた。明治維新に興味を持っていた頃もあり、文化の日には明治天皇の誕生日ということが思い浮かぶ。 明治天皇(文春より) 明治は近代日本の黎明期であり、日清・日露戦争などいろいろな出来事があるが、私にとっては夏目漱石の存在が大きい。 夏目漱石については、中学に入り「吾輩は猫である」を皮切りに文庫本で出ているものはすべて読んできたが、半藤一利さんの「漱石先生ぞな、もし」など、漱石にかかわる本を読みだしてから、より好きになり興味を深めていった。漱石の俳句が好きになった…
先日旅行に行き、直島の突堤から砂浜に映る自分の影を写真に撮った。 砂浜に映る自分の影 直島には至る所にオブジェがあり、その時はオブジェの一つのような気分になっていたが、所詮普通の影に過ぎない。 昨日のリア王に引き続き、今日は影にまつわるマクベスの台詞(マクベス夫人が亡くなった後のもの)を紹介したい。もちろん小田島雄志さんの訳である。 明日、また明日、また明日と、時はこきざみな足どりで一日一日を歩み、ついには歴史の最期の一瞬にたどりつく。昨日という日はすべて愚かな人間が塵と化す死への道を照らしてきた。消えろ、消えろ、つかの間の燈火!人生は歩き回る影法師、あわれな役者だ、舞台の上で大げさにみえをき…
普段は自分の影など意識することはないが、散歩をしているとあまりにも自分の足が長くなっているので、喜び勇んで写真に撮ってみた。 足長の自分の影 もう少し経てばもっと足が長くなると思ったが、十数分もすると日と影の見分けがつかなくなり、儚くも影は消えてしまった。 そして、影に思いを巡らせているとシェイクスピアに意識が飛んで行った。 先ずは「リア王」である。娘に裏切られたリア王と道化の台詞がある。(一部のみ) リア王:だれでもいい、教えてくれ、わしは何者なのだ。道 化:リアの影法師だい。 私がシェイクスピアに一時期のめり込むきっかけを作った小田島雄志さんは、「この台詞を自分では書けないので、劇作家にな…
中野好夫(1903~1985) 清富に限る。中野好夫はしばしば喝破したものだった。 清貧を尊ぶことを、とかく日本人の美徳または美意識のように云うが、本心は富裕でありたい。だが富はとかく腐にも濁にも汚にも堕しやすい。濁富と化すくらいなら、しかたなく清貧でいようか、というわけだ。 中野好夫は英文学者として東京大学の名物教授だったが、評論家・翻訳家として我われ下じもには近しい。「清富」の一語にも見えるとおり、硬直した先入観をマサカリで断ち割るかのような、眼も覚める箴言を繰出されたかただった。 『シェイクスピアの面白さ』というエッセイ集がベストセラーになったことがある。西洋古典についての噺など、高尚読…
昨日の「シェークスピア全集」を何故買わなかったか無性に悔やまれます。状態が良くないと言っても、何故 3,000円を惜しんだかと。 古書も骨董 (食器) も一期一会、買い逃したら明日はないと懲りているはずなのに。。。 夜中にふとマクベスのセリフが思い出しました。 大好きな「消えろ消えろ」の場面です。 物語の終盤、城が包囲され、恐怖もなくなっていたマクベスに、夫人が亡くなったという知らせが届いた時のマクベスの名セリフですが、訳者によってどのように訳しているかが無性に知りたくなりました。 もちろん文章は、ネットで探せば手に入りますが、あの美しいブルーの表紙 ( 天地小口が金だったなあ ) をめくり、…
皆さま大変です! 横田栄司さんがオセロー!浅野雅博さんがイアーゴー! これは絶対見逃せない! 文学座公演『オセロー』作:ウィリアム・シェイクスピア訳:小田島雄志演出:鵜山 仁2024年6月29日(土)~7月7日(日)紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA www.bungakuza.com そそられるデザイン来ました! アフタートークの日に行きたい!!!!!!会員じゃないけれどなんとか😭🙏 美術:乘峯雅寛 照明:古宮俊昭 音響:丸田裕也 衣裳:前田文子 ヘアメイク:鎌田直樹 アクション:渥美 博 舞台監督:加瀬幸恵 演出補:志知佳保 制作:梶原 優、鈴木美幸 制作助手:畑田麻衣子 宣伝美…
小田島雄志訳、2023年上演、2024年放送。 『尺には尺を』は1月に放送されていたのに、他の期間限定配信を優先して、『終わりよければすべてよし』放送後に2作品を観ました。元々交互上演されていた2作品で、キャストを重ねて2作品交互上演って演者の皆さんすごいですね!と素人は思ってしまいます。主役と脇役は交代になるので、そこは配慮されているかもしれませんが。 観ていなくて知らなかったのですが、『ヘンリー6世』上演の時は全3部を午前から夜まで上演したことがこちら↓に書かれていて、そちらもすごかったんだなと思いました。考えてみれば、ソニンさん(イザベラ)、岡本健一さん(アンジェロ)、浦井健治さん(クロ…
日曜日。夜9時〜WOWOWシネマで映画『スープとイデオロギー』初放送。夜10時「おしゃれクリップ」[TVer]に大森南朋(斉藤和義とスタジオでセッション 【VTR出演】門脇麦、永瀬廉)。深夜2:55「おかべろ」(TVer無し)に南果歩。 朝7:00-7:30 フジテレビ『ボクらの時代』[TVer] 【出演】リリー・フランキー×斎藤工×山口智子 朝7:00-7:30 TBS『健康カプセル!ゲンキの時間[解][字]【生還者に学ぶ!脳卒中の正しい対策】』[TVer] “「脳出血」「くも膜下出血」から命を守る3つのポイント ●突然起こる強烈な頭痛と吐き気がサイン ●くも膜下出血の前兆「警告頭痛」 ●命…
井上ひさしの戯曲講座『芝居の面白さ、教えます 海外編』(作品社)を読む。以前紹介した『~日本編』の姉妹書。仙台文学館での講演の筆記録。とても面白かった。 取り上げられているのは、シェイクスピアの『ハムレット』、イプセンの『ヘッダ・ガーブレル』、チェーホフ『三人姉妹』、ニール・サイモン『おかしな二人』で、その戯曲と演出、芝居の見方を詳しく解説してくれる。何という贅沢な講演だったことか。 チェーホフの『三人姉妹』とこのシェイクスピアの『ハムレット』、この二つは世界史の奇跡でしょう。 『ハムレット』の有名な台詞’To be, or not to be, that is the question.’に…
2023/12/28 ウィリアム・シェイクスピアを読む前に:エリザベス朝期の劇場について 1595年 2023/12/27 ウィリアム・シェイクスピア「リチャード三世」(新潮文庫) 他人を見下し屈服することが目的で、それだけが行動の原理の主人公は王位についたとたんに次にやることがなくなる。 1594年2023/12/26 ウィリアム・シェイクスピア「間違いの喜劇」(白水ブックス) 二組の双子の取り違えに、聞き間違いや言い間違いのすれ違い。 1594年2023/12/25 ウィリアム・シェイクスピア「じゃじゃ馬ならし」(新潮文庫) 暴力で女性を従順にするのは21世紀にはふさわしくないなあ。「空騒…
その昔、エフェサスとシラキュース(いずれも都市の名)は犬猿の仲であり、互いの市民は相手の都市に行ったら死刑、もしくは1000マルクの身代金と引き換えに釈放という決まりを作った。とはいえ、同じ地中海の都市であって、不運に嵐にでもあえばいやおうなく都市に乗り付けることもあるのだ。そのような不幸が訪れたシラキュースの商人が嘆くには、33年前に双子の兄弟が生まれたが、帰途中嵐にあって、兄の方と妻が行方不明になってしまった。ずっと探しているが見つからないので、もうあきらめている。死刑になるのは仕方がない。 さて、エフェサスではおかしなことが起きていた。エフェサスの高名な貴族アンティフェラス兄にはドローミ…
彩の国さいたま芸術劇場開館30周年記念 彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd Vol.1『ハムレット』全出演者解禁&公演詳細解禁 / #ハムレットSSS2 全出演者&公演詳細解禁📣\🔗https://t.co/5Fe0wYHT06◤ 𝐂𝐚𝐬𝐭 ◢#柿澤勇人 #北香那 #白洲迅#渡部豪太 #豊田裕大#正名僕蔵#高橋ひとみ #吉田鋼太郎ほか📆埼玉:5/7㊋~26㊐📍彩の国さいたま芸術劇場 大ホール🎫1/26(金)から抽選先行開始 pic.twitter.com/bFcdX2a0C3 — 彩の国シェイクスピア・シリーズ 2nd (@Shakespeare_sss) 2023年12月19日 horip…
初演の1596-7年というと、モンテヴェルディの「オルフェオ(1607年)」「ポッペアの戴冠」「ウリッセの帰還」などとほぼ同時代。これらをシリアスというのであれば、シェイクスピアの「ヴェニスの商人」は喜劇、ブッファだ。登場人物はリアルであるようであるが、観客よりもすこしばかり思慮が浅く観察力も足りない。だから、本来は法の形式を整えていない契約をするのだし、男装した女性が裁判官になっていることにも気づかない。登場する男性は誰もが女性よりも頭が悪い。威張っていても女の手のひらで遊ばされている。現実にはありえないそこのところを観客は笑うのだ。 ヴェニスの投資家たちは貿易船が帰ってくるのを待っている。…
シシリー島メシーナの執政官レオナートには美しいひかえめな一人娘ヒーローと毒舌で高慢な姪ベアトリスがいるが、二人とも年頃なにの結婚しないのが気になる。アラゴンの領主ドン・ペドロがやってきたので一月歓待することにした。いっしょに来た貴族のクローディオとベネディクが二人が気になる。クローディオは結婚しないと決意していたが、戦争が終わると胸がうずきだす。宴で見たヒーローにたちまちぞっこんになる。生来の女たらしベネディクはベアトリスの毒舌をどうにかしてやりこめたい(中学生かよ!)。 ふたりの悩みを聞いたドン・ペドロは一計を案じて、この恋を成就させようと誓ったのであった。内気で口説けないクローディオのかわ…
2024年1月に少年社中の「テンペスト」を観に行くので、原作のテンペストを読んでみました!! はっきり言って、1度読んだだけではキャラクターの名前が覚えられませんでしたし、これは結局なんだったんだろうというのが感想です。 もっと深く読み解ける頭が欲しかったです。 今回はテンペストがどんな話なのかまとめていきたいと思います! 来年観に行くテンペストはこのストーリー通りに進むわけではないようですが、キャラクターを知っていればもっと舞台が楽しめそうと思ったので、興味がある方は読んでいただけると嬉しいです! 注意!! ストーリーや私の感想などを書いていますので、知識を入れずに舞台を楽しみたいという方は…
久し振りに上岡敏之指揮の演奏(読響)を聴く。新日本フィルを音楽監督として最後に振ったとき以来か。 新国立の《こうもり》を振るパトリック・ハーンは 21/22シーズンから(かつて上岡が首席指揮者を務めた)ブッパタール響と歌劇場の総監督に最年少で就任した28歳のオーストリア人。ジャズピアニストとしても種々の受賞歴があるらしい。初日は N響定期と重なったため 3日目を観る。楽しみだ。 民藝が 2018年に連続上演した「神と人とのあいだ」第一部『審判』(1970)第二部『夏・南方のローマンス』(1987)は見応えがあった。今回の『巨匠』は同じく木下順二が 1967年にNHKで放送されたポーランドのテレ…
2024年 文学座公演情報 横ちんさんが出演するの嬉しいねーーー!! 浅野雅博さんと石橋徹郎さんイマシバシノアヤウサのお二人一緒なのも嬉しいーー!!『オセロー』6月29日[土]→7月7日[日]紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA7月15日[月]長岡リリックホール作/W・シェイクスピア 訳:小田島雄志 演出/鵜山 仁 『オセロー』の世界では、登場人物たちのエネルギーのぶつかり合いが、荒唐無稽なほどハイレベルに設定されています。妻デズデモーナの貞節に疑いを抱いた将軍オセローと、彼の嫉妬をあおる部下イアーゴーのやりとりは、常軌を逸したスーパー漫才さながら。また芝居の大詰め、オセローに殺害され…
シェイクスピア ダークコメディ交互上演の大千秋楽『終わりよければすべてよし』千秋楽観劇。12列センターブロックのお席、ありがとうございます〜。 広い新国立劇場の舞台と客席の境がない一体感に多幸感を感じながらの観劇でした。千秋楽ならではのアドリブも多く楽しかった~。 このシリーズの終わりは「終わりかもしれない」くらいに思っていたので今日の最後の岡本健一くんの挨拶まで信じていませんでした。鵜山仁さんの演出最高におもしろかったです。この14年で区切らないで数年おきでも続けて下さい!85歳の勝部演之さん、とりあえず90歳まで舞台に立ってください! 亀ちゃんが上手すぎて、亀田佳明 ペーローレス最高すぎた…
新国立劇場にて『尺には尺を』。素晴らしい千秋楽でした。しばらく観ないうちの皆様の進化が凄かった。カーテンコールのヴィンセンシオ公爵(木下浩之さん)はその涙までチャーミングでした。2作品上演、お稽古から数ヶ月、今日まで大変だったんだろうなぁ。公爵代理の岡健アンジェロに死刑宣告を下された浦井クローディオにソニンイザベラが潔い死を勧める場面の思いきりの良さ。兄をバンバン叩きまくる妹🤣ラストの大団円、アンジェロの行末を眺めている亀田フロスと川辺エルボー文学座コンビが仲良く同じ動きをしていたのも楽しかった~。 公爵がソニン・イザベラに求婚したときの岡健アンジェロの「えっ」という大きな声が席まで聞こえたよ…
ユーチューブ番組『遅咲き偉人伝』の「松岡和子」編をリリース。 『シェークスピア全集』を、坪内逍遥、小田島雄志に続き、完訳した3人目の人。51歳から始め、78歳でライフワークを完成させた、遅咲きの人である。壮年期から実年期の27年間でこの大作に打ち込んだのだ。 https://www.youtube.com/watch?v=dhKY-gSje-g (55) 遅咲き偉人伝47 松岡 和子 - YouTube ーーーーーーーーーーーーーー 「名言との対話」11月13日。菅虎雄「金蘭の友」 菅 虎雄(すが とらお、1864年11月17日(元治元年10月18日) - 1943年(昭和18年)11月13日…