平安時代中期の女流歌人。三十六歌仙の一人。読みは「こだいのきみ」「こおおいぎみ」とも。 系譜不詳、生没年不詳。 三条天皇の女蔵人として仕え、東宮左近・三条院女蔵人左近とも呼ばれる。 藤原朝光と恋愛関係にあったほか、平兼盛・藤原実方・藤原公任などとの贈答歌が残る。 『拾遺和歌集』以下の勅撰集に二十一首が入集し、とくに『後拾遺和歌集』では巻頭歌に採られている。家集は『小大君集』。
岩橋の夜の契りも絶えぬべし明くるわびしき葛城の神 小大君 (拾遺和歌集 巻第十七 1201) 小大君は三条院が皇太子のときに女官を務めた。左近の別称で伝わる。才媛でありながら美女。『藤房本三十六歌仙絵(模本)小大君』 紙本着色 江戸時代・19世紀 東京国立博物館 出典:ColBase (https://colbase.nich.go.jp) 色紙 三幸 趣1号 小大君 K2-013 三十六歌仙 色紙のみ 154771839 三幸 Amazon 佐竹本三十六歌仙 小大君 尺五横 高精彩工芸画 手彩補色 掛け軸 掛軸 人物画 俳句 歌人 絵巻 女性 和歌 十二単 表装 軸装 桐箱収納 アート 絵画…
2023年秋の東博で開催されたやまと絵展に感化されてか、各館所有のコレクションだけでやまと絵展を開く企画が目に付く。大和文華館でもやまと絵のこころと題して同館所蔵のやまと絵たちを惜しみなく展示していた。 琳派を代表する作家である尾形光琳の扇面貼交手筥や酒井抱一の瓶花図が出ていたり、やまと絵の復古に燃える岡田為恭作品などが出品されていた。中でも佐竹本三十六歌仙絵断簡の小大君像は平安貴族の女性像を描いたもので、NHK大河ドラマの光の君へとリンクする。 国宝は本家?東博のやまと絵展にも出ていた寝覚物語絵巻が出品されていた。この作品は保存状態が悪く、絵画では人物の顔の部分が潰れてしまっている。絵巻物は…
塚本邦雄の定家撰百人一首嫌いはすさまじく、本書以外にも『新撰 小倉百人一首』があるし、他書でも事あるごとに定家の批評眼について疑問を投げかけずにはいられないようだ。伝統文化として定着してしまった観のある小倉百人一首にそれほど目くじら立てても、状況は大きく変わることはないとは思うものの、塚本邦雄にとっての創作源であり、また新たな古典愛好読者の発掘の契機として、有効に機能していることで、充分意義のある感覚であることに間違いない。本書も講談社文芸文庫になってのち、2021年までの12年間で六刷を数えているのだから、大したものだ。 小倉百人一首との撰出歌人を比較してみると以下のようになる。 小倉百人一…
人生は短く芸術は長いとはよく耳にする言葉だが、芸術は非情だ。誰にでも開かれているようでいても、誰もが可能で誰もが到達できる、というわけではない。時代によって、個々の鑑賞者の資質によって、選ばれ称賛される作品に違いは出てくるであろうが、その趣味判断を超えて、時代に即した名歌の傾向というものは、複数の作品を選択することで、自ずから一定の水準に落ち着いてくる。 本書、塚本邦雄の『珠玉百歌仙』は、記紀歌謡から明治の言文一致運動にいたるまでの、約十二世紀、112の歌人の112の歌によって、もっとも日本的な和歌の姿の変遷を、一刊の著作として拾いあげ書きとどめている。 7世紀中盤におそらく万葉仮名で書きとめ…