歌舞伎の演出の一つ。
役者の体をワイヤーなどで吊り上げ、空中を飛行しているように見せるもの。18世紀初頭に初世團十郎がはじめた演出法といわれ、明治以降では二代目尾上多見蔵、六代目尾上梅幸が得意としていた。
戦後、三代目実川延若が「五右衛門の宙乗り」を復活。さらに三代目市川猿之助が昭和四十四年、国立劇場「義経千本桜」の狐忠信で、同じ公演に出演していた延若から指導を受け、宙乗りにトライ。その後も尾上菊五郎、中村児太郎、市川海老蔵(十二代目團十郎)、中村吉右衛門、中村勘九郎*1が挑戦しているが*2、なんといっても猿之助の宙乗りがダントツで多く、5000回をはるかに越えてギネスブックにも登録されている。