16世紀にドイツから始まった、堕落したキリスト教会を批判する革新運動。キリスト教を「キリストの教え本来の姿」に戻すことを目的とした。
牧師マルティン・ルターが、罪が軽減されるとして教会が販売していた証明証「贖宥状(しょくゆうじょう)」*1を、「お金を払えば罪が許される制度」であり「堕落だ」として批判したことがきっかけとなった。
結果、プロテスタントがカトリック教会から分離したこの宗教改革は、宗教面のみならず、政治・経済・社会に大きな影響を及ぼした。
*1:以前は免罪符と訳されていた
教科書は、細かな単元の集まりです。その一つ一つの細かい単元を、前から順番に丁寧に腰を落ち着けて学ぶと、しぜんに歴史的思考力が身につきます。そう、歴史的思考力をつけるのは、とても容易です。 歴史的思考力というと、離れた単元同士の比較とか、東西交流がどうしたとか、日本と世界との関係とか、そういう大上段なことに目が行きがちです。しかし、そういった大まかな学習では歴史的思考力は身に付きません。一つの単元を、集中的かつ緻密に学習する必要があります。 それでは、もったいぶらずに具体的な歴史的思考力の身につけ方を説明しましょう。例として「ルターの宗教改革」という単元を挙げます。 ①まず、単元名を見つめます。…
大阪城公園内の「ピースおおさか」で、9月24日まで開催中の「#HereIstand 我ここに立つ ―マルティン・ルター、宗教改革とそれがもたらしたもの」。 キリスト教宗教改革の切っ掛けと成ったマルティン・ルターによる「95ヵ条の論題」提示から数えて500年目に当たる2017年に始められた巡回展示で、大阪・神戸ドイツ連邦共和国総領事館の共催に成ってます。 なぜ「ピースおおさか」で「マルティン・ルター」のパネル展かと云うと、世界各地の紛争やテロには宗教が関係している場合が多々有り、現在では収まっていますが北アイルランドのカトリックとプロテスタントの係争など未だに火種は尽きません。 戦争と宗教という…
◆山川出版社の『詳説世界史』には、かなり辛口の評価をしてきましたが、宗教改革のページは旧課程の教科書から大幅に刷新され、充実した内容になっています。 ◆私は、「世界史の扉をあけると」でも述べたように、宗教改革期のイコノクラスム(聖像破壊運動)に注目してきました。プロテスタントによる聖像礼拝の否定は、聖像の破壊にまで進むことがありましたが、この事実を世界史の教科書は伝えてきませんでした。プロテスタントの研究者の影響力が強く、プロテスタントの暴力に触れたくなかったのでしょうか? たとえ執筆者がプロテスタントの方であったとしても、歴史的事実は直視しなければなりません。 ◆山川の新しい『詳説』は、注に…
日比谷のTOHOシネマズシャンテにて。観終わった後に、後味が悪いってほどでもないが、変な余韻を残す映画を観た。イニシェリン島の精霊、という映画だ。 宇多丸も絶賛してたな。 www.tbsradio.jpふたりのオジサンの諍いの地味な映画、と思って観に行ったのに、観た後数週間にわたって、あれは一体何だったのだろう、と考えてしまう、わたしのなかで、始めは小さな存在だったこの映画が、いまや忘れられないものとなっていることに気付き、マーティン・マクドナー脚本、監督の力量の凄さを感じる映画でした。 あらすじはこんな感じだ。 realsound.jp 舞台となる「イニシェリン島」は現実には存在せず、アイル…
今日は当ブログの本題、作成中の年表地図の11ページ目 ”ルネサンスと宗教改革” になります。 歴史年表地図もいよいよ1/3を通過し、全体の1/2、折り返し地点を目指す所にまでやって来ました!。 今回も勿論、あくまで歴史初心者的な目線で見ていきますのでご了承ください😅。 内容途中に誤字や間違いなども,きっと見落としや勘違いなどもあるかもしれませんが、あくまで自家用として作成しているので、その辺はご勘弁。
禅とは何か。 本日のZoom坐禅会で教えていただいたお話。禅とは何か? 武士道は宗教か? あまり難しいことは意識せずに、静かな時間が好きなので、朝の坐禅に参加しているけれど、改めて、復習。私自身、禅は宗教とは思っていない。一つの心の整え方、と言った方がしっくりする。 そもそも、宗教という言葉は、明治時代の翻訳語。辞書をひらけば、 宗教 (religion)の二側面① 人間や自然の力を超えた存在を中心とする観念体系にもとづく信仰の対象としての教義。通常儀礼、制度、組織などをそなえた集団(の活動)=教団が形成される ② 科学や論理では説明しきれない人間観、自然観、生活観、世界観、宇宙観そのもの(そ…
アカペラってなんですかって聞かれたら「伴奏なしで歌うことなんじゃね」みたいな感じで答えますよね 笑。 それではアカペラという言葉の意味はご存知ですか。 今回は無伴奏で歌うことをなぜアカペラと言うようになったのか、それがわかる回です。 アカペラってどういう意味。それは・・・
こんにちは! 1回目の投稿をしてから1時間足らずで二回目の投稿なんですけどww 今回は最近私がはまってる世界史について話してみようと思います。 世界史自体は高校生のころから好きだったんですけど、より詳しく調べてみると めちゃめちゃおもろかったんでちょっと紹介しようと思います。 歴史が嫌いだった人も中にはいるんじゃないでしょうか? そんな人のために面白おかしくさらっと紹介していきたいと思います。 では世界史第一回を始めます。 まずは宗教改革(イギリス)について これは有名ですよね。 宗教改革ってのはカトリックが悪いことをしたんで、それに対抗して新たな宗派を作ったってことです。 他の国は争いが起き…
皆様、こんにちは。 あれから皆様はいかがお過ごしでしょうか。 今回はつぶやきます。 ngmch-kr-hn.hatenadiary.jp ngmch-kr-hn.hatenadiary.jp ngmch-kr-hn.hatenadiary.jp ngmch-kr-hn.hatenadiary.jp ngmch-kr-hn.hatenadiary.jp ngmch-kr-hn.hatenadiary.jp
※最終更新 2021/02/06 19:57 (当初の記事よりは、多少まとまったかたちになったかと思います。) ◆2021年1月の「論壇時評」で、津田大介は次のように述べていました。 與那覇潤は歴史学の立場から中井久夫の議論を参照し、各国で反知性主義が広がっていった経緯を具体的に示しつつ、この流れがルネサンス期の西洋社会と似ていたと指摘する。当時は長きにわたって陰謀論に基づく「魔女狩り」が横行したが、この背景にグーテンベルクが開発した活版印刷の普及があったという。ありもしない敵を脳内で作り上げ、誤情報に基づき同じ考えを持つ者がつながり、集団で排除する行為はまさしく「魔女狩り」に他ならない。「グ…
若い頃に読んだはずだが完全に中身を忘れている本を読み返す。 マックス・ウェーバー『プロ倫』『職業としての学問』『職業としての政治』 『職業としての学問』:「大学教師に学問以外のことを期待するな」以上。 『職業としての政治』:政治家とは、やりたくてやるもんじゃなくて、どうしても引き受けざるを得なくなって天職(Beruf)としてやる人のこと。それは悪魔との取引を受けれいることでもある。 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』:近代資本主義はプロテスタントの宗教的エートスから生まれた。つまりルターの宗教改革により天の王国に至る為の宗教的実践が世俗的生活の中での倫理規範となったことによって禁欲…
昨日の礼拝は、この3年ずっと支えてきて下さった引退教職の先生によって守られた。 以下は、お説教原稿より全文書き起こし。 「人生の分水嶺」(ルカによる福音書16:19~31) 取り上げましたのは、主イエスが語られたたとえ話である。主イエスは、たとえ話を多く用いられました。その目的は、三つあると言われる。①わかりやすくする。②考えさせる。「聞く耳のある者は聞きなさい」(マルコ4:9)③決断を求める。有名な数学者にしてキリスト教思想家であるパスカルは、信仰は賭けだと言った。もし今、ここに求道中の方がいらっしゃったら申し上げたい。やがて、決断しなければならないときが来るということである。そのことを考え…
マデリーンブラザー工業PC-88011987年2月3200円 世界初のパソコンソフト自動販売機「ソフトベンダーTAKERU」。当初は少し古くなった市販ソフトを低価格で販売していたが、正直、コピーで入手したそれと変わらぬ状態のソフトをTAKERUで買う事に抵抗のあるユーザーも多かった。また、いくら低価格といっても、それを中古ソフトで探した方が安い場合も多く、理想と現実の壁が大きく立ち塞がっていた。ユーザーがTAKERUでゲームを買いたくなるにはどうすれば良いか?TAKERUでしか買えないオリジナルゲームがあれば良い事は明白だ。本作「マデリーン」はそんなTAKERUオリジナルゲームの第1弾と言われ…
天一国憲法の精神である連邦制を無視した中央集権組織を日本聖殿がとって何年経つだろう?十年も続けばもはやそれが日本のサンクチュアリの悪しき伝統として固まってしまう。これは大問題である。 かってベネディクト修道会に憧れていた川原さんによって協約というものが提案された。 これは組織内の約束事であり、言ってみれば律法である。 旧約的な出発を会長と多くの信徒は支持した。 誠に残念なことであった。 外的な形式を律法学者パリサイ人のように重んじてなんの益があろうか? カトリックにも信徒信条があるというのに。 <使徒信条> 天地の創造主、 全能の父である神を信じます。父のひとり子、わたしたちの主 イエス・キリ…
読んだ本 仲正昌樹『人はなぜ「自由」から逃走するのか:エーリヒ・フロムとともに考える』KKベストセラーズ (2020) 宮台真司『14歳からの社会学:これからの社会を生きる君に』ちくま文庫 (2013) 高島鈴『布団の中から蜂起せよーアナーカ・フェミニズムのための断章』人文書院 (2022) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『人はなぜ「自由」から逃走するのか:エーリヒ・フロムとともに考える』 メモ ルター・・・・プロテスタントを生むきっかけとなった人物。16世紀の宗教改革に貢献。 三十年戦争・・・・正教分離のきっかけとなった戦争。(ウェスト…
*「社会学」の誕生とマックス・ウェーバー 「社会という秩序はいかにして可能になるか」を考察する「社会学」という学問は19世紀に始まりました。18世紀末に起きたフランス革命はヨーロッパの知識人に二つの革命的な考え方をもたらしました。第一に政治体制や社会秩序は変化するものであり、しかもその変化は例外的なものでも忌避すべきものでもなく、むしろ正常で望ましいものであるという考え方です。第二に政治体制や社会秩序を基礎づける「主権」とは君主でも議会もなく、究極的には人民にあるという考え方です。 そして、この二つの考え方は学問の世界に二つの問題を与えました。一つ目は政治体制や社会秩序はどのように、いつ、なぜ…
『真のエクソシスト』 大川隆法 幸福の科学出版 2019/4/23 <エクソシスト> ・私の説くエクソシスト論は、現代世界では、最先端のものである。キリスト教、イスラム教、仏教、神道等で、断片的に説かれているものを統合したものである。しっかりと学んでほしい。 ・まさしく私の戦場での実話から抽出されたテキストである。悪霊、悪魔、生霊などとの接近遭遇は、ほぼ毎日のことである。 本来は、一体一体、説法して成仏させるのが本筋である。その霊体の悩んでいるポイント、あるいは、生きている人を悪意を持って狙っている理由を見破って、論理的、理性的に論破し、成仏する方向性を明示すべきである。根本原因を除去しない限…
はじめに 私立大学の世界史は空欄補充、下線部に関する短答問題・正誤判定問題が中心です。首都圏の大規模私立大学には最後の問題が100字~300字程度の論述の学部もあります。 その中で小論述が山ほど出るのが慶應義塾大学の経済学部です。東京大学の併願者を狙っているようにも思えます。国立小論述、私立戦後経済史のトレーニングを兼ねて解説します。 解答例は解答欄の大きさが1行=17cmなので約40字と換算しました。行数は「赤本」がでればその記載に従いますが、それはでは代ゼミや東進の解答例を見て判断します。 問題 要会員登録 www.toshin-kakomon.com 目次 はじめに 1 慶應義塾大学 経…
阪急トラピックスさんの『【エミレーツ航空利用おひとり様参加限定】感動のエジプト ナイル川クルーズ8日間』に参加し、人生初のソロ海外旅行デビュー。 「王家の谷」で王墓見学をした後は、ハトシェプスト葬祭殿へ。 消された女王・ハトシェプスト 3層テラスからなる広大な「ハトシェプスト葬祭殿」 葬祭殿第一テラス 葬祭殿第二テラス 葬祭殿第三テラス 消された女王・ハトシェプスト ギザの三大ピラミッドなどが建造された古王国時代の後、古代エジプトは第一中間期→中王国時代と変革します。 続く第二中間期は、アジア系のヒクソスが侵入し王朝を立てました。 そのヒクソスをエジプトから追放し、新王国時代が始まり、第18王…
『シャンバラの秘宝』 Zファイル (玉井禮一郎)(たまいらぼ出版) 1998/6 <仏典「法華経」にも記述されている「地底世界(シャンバラ)と地底人」の実地踏査の簡潔な報告。> <ブラジルのロンカドール山脈の謎。ブラジルはUFO多発地帯。> ・「法華経」の予言のハイライトは、巨大な宇宙船の地球来訪(宝塔品)とおびただしい数の地底人(従地涌出品)の出現の二つですが、それが今世紀末から来世紀初頭にかけて、われわれの肉眼で見える形で実現するということで聖書などの諸預言も一致しております。 「世界の宗教のルーツは地底王国(シャンバラ)に」 「私は過去40年間という時間の大半を法華経の探求に費やしてきた…
昨日に続いて、今日も図書館で作業。論文の第一セクションまで終える。論述の流れが少し微妙な箇所がひとつあるが、最後まで書き終えてからもう一度検討することにした。その後は読書会の予習をして、開架されている棚を見て回る。新年度の授業の参考になりそうなものを三冊ほど借りて帰宅。今日は歩きで、それ自体は思っていたほどの距離でもなかったものの、ここ数日の目が痒いのが悪化して仕方なかった。時期的に花粉症かもしれない。 以下、借りた本。 朝比奈緑『詩が語るアメリカ——多様なる声への誘い』(小鳥遊書房、2022) 詩が語るアメリカ: 多様なる声への誘い 作者:朝比奈緑 小鳥遊書房 Amazon 以前から気になっ…
ホルバインによるエラスムスの肖像画 第7章 ヴェネツィアの印刷業者 エラスムスは『格言集』刊行を実現するため、予定していたローマ行きを一時中止してヴェネツィアに移り住むようになった もともとヴェネツィアは、十五世紀中葉以来、印刷・出版活動のきわめて盛んな街だった。 当時のイタリアは、現在と違って、食事の量が少なかった。エラスムスのような北の人は、食事の量は多かったため、食事の時は自分の部屋で食べるようにしていた。 第8章 ゆっくり急げ 「ゆっくり急げ(Festina lente)」 ローマの皇帝アウグストゥスの座右の銘だと伝えられるが、さらに遡れば「ゆっくり熟慮して、しかる後素早く行動せよ」と…
鎌倉FMの「理系の森」(30分番組)に3週連続で出演します。 笑いの多いインタビューとなりましたが、どんな風に編集されているかな。 以下、「案内」から。久恒先生が、ラジオのゲストに来てくださいました(オンライン収録でしたが…) 【久恒先生が鎌倉FMの「理系の森」に!】 あす、16日(土)から3週にわたり、久恒先生のパワフル&チャーミングなお声をお届けいたします(^^) 時間:毎週(土) 16:30から30分間。再放送は 翌週月曜の19:30スタートです。 鎌倉にお住いの方は、FMラジオで、遠くの方は、インターネットサイマルラジオでスマホやパソコンでリアルタイム視聴ができますよ。 https:/…
数学に興味がある。以前にもこのブログで述べたが、学生時代私は数学が一番苦手だった。点さえ取れれば良いと、公式を丸暗記してテストに臨んでいた。「考える」という最も肝心な部分をおろそかにしていたのだ。結果、思うように点数が伸びず、苦手意識を持つ。その苦手意識から分不相応な難しい参考書に手を出す。結果、余計に苦手意識を持つ。その繰り返しだった。そんなわけで、今再び点数にこだわらない【教養としての数学】を学んでみようと思っているのだ! その他にも理由はある。仕事上、世界史のほかにも文系教科である現代国語を教える機会がある。その際、私は自分でも驚くくらい【楽しんでいる自分】を発見した。理由を考えてみた。…
資本主義による組織マネジメント 次の道具は「資本主義」です。 資本主義とは利潤の獲得を目的とする社会制度のことです。 前回までの多神教、一神教による秩序は、神という概念を道具にした土地と支配の安定性を目的とした封建制度でしたが、資本主義はそれらの社会制度のアンチテーゼとして登場しました。 それでは、資本主義の成立の過程を見ていきましょう。 まずは、前提となる資本主義が成立する前の社会についてお伝えします。 中世ヨーロッパは古代ローマ帝国がキリスト教を国教にして以来、キリスト教が秩序の土台にありました。 しかし、キリスト教は複数の宗派に分裂し、ヨーロッパは異民族の大移動によりいくつかの国が分立し…