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好転反応

(一般)
こうてんはんのう

薬などによる治療の過程で、一時的な症状の悪化が見られること。
通常の副作用とは異なり、薬が悪影響を及ぼしているのではなく、症状の改善そのものの副次的効果として、一見病気のような効果が表れているのだ、と説明される。
 
一般的な医学の場よりも、健康食品や非正統的治療法の説明の中で多く口にされる。
 
しばしば、漢方における「瞑眩(治療開始後、快復の前兆として、一時的に症状が悪化する現象)」と関連づけられる。
 
ただし、瞑眩は出ないことも多く、出ても数日で治まる(治まらない場合は「誤治」=治療方針の誤りである)とされる。
参照:福岡県薬剤師会 薬事情報センター
http://www.fpa.or.jp/fpa/htm/infomation/QandA/qa01/qa01_27.htm
 
検索エンジンで「好転反応」の語を検索すると、多数の健康食品・治療法がヒットするが、そのほとんどが健康保険の適用はもとより厚生労働省による効果ありとの認定も受けていないことが確かめられる。
 
例:

  • 西洋医学は、薬漬けにして病気を抑えるだけで、その分体を歪めるんです。この〜〜エキスは、それを元に戻す働きがあるので、戻る時、一時的に症状が悪化して見えるんです。
  • この〜〜療法は、体内の毒素を排出する働きがあります。毒素が出てくる時、いろいろな症状が現れますが、これは一時的なもので、体内の毒素がなくなれば治まります。

 
仮に、病気の治療中、強い副作用や予期しない症状の悪化が見られたとする。
普通、そのような場合には、治療者は治療法を他に切り替える必要がある。
 
通常の医師であれば、複数の選択肢の中から治療法を選べることが多いため、これは比較的容易である。
ところが、特定の健康食品の販売や、特定の治療法によって収入を得ている治療者の場合、この選択肢に乏しく、治療方針を転換することがしにくい立場にある。
 
このため、副作用や症状の悪化を「好転反応」即ち症状が快方に向かっている証明である、と説明することで、患者の疑念をそらし、それまで通りの治療(および収入)を維持しようとするのだと考えられる。
 
例:

  • 好転反応が出ているのは、治りかけている証拠です。ここでやめたら何にもなりませんよ。
  • 今が苦しい時ですが、もう少し好転反応をがまんしてがんばれば、びっくりするくらい良くなりますよ。

 
慢性疾患の多くは、常に同じ病状が続く(もしくは、一方的に悪化/回復する)のではなく、一時的な悪化と回復を繰り返しながら推移するものであるため、この悪化期を「好転反応」、回復期を「治療の作用」と説明することで、実際には効果のない治療を効果があると信じさせることができる。
 
快方に向かっていると信じさせるだけなら、少なくとも患者に希望を与えていると見なすこともできるが、非正統的治療を勧める治療者は、通常の病院での投薬などを受けないよう患者に勧めることも多い。
このため、病状の悪化を「好転反応」と信じた患者が、適切な治療を受けないまま手の施しようのない事態に陥ってしまうこともままあり、問題視される。
 
また、健康食品等の場合、特定保健用食品の指定を受けている食品であっても、安全に摂取できる許容量が存在することが多い。
 
しかし、一般に、健康食品に対しては、薬剤に比べ、過剰摂取・副作用への警戒が弱い傾向にあり、「たくさん飲めば強く効く」という素朴な信念を抱いている患者も珍しくない。
このため、指定された用量を超えて摂取してしまうケースが見られる。
 
そのような場合、過剰摂取の結果として何らかの副作用が見られたとしても、それを「好転反応」とみなして服用を続ける(または、さらに用量を増やす)と、やはり危険な状況になっても気付かず、深刻な事態に至る可能性もある。
 
健康食品の許容量についての例:
「健康食品」の安全性・有効性情報」より、
ガラナ
朝鮮人参
亜鉛
(参照:独立行政法人 国立健康・栄養研究所:http://www0.nih.go.jp/eiken/

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