巧妙に隠された差別の構造を鋭く暴き出した1冊 『ひれふせ、女たち ミソジニーの論理』(ケイト・マン著/慶應義塾大学出版会) ミソジニーという言葉は一般的には「女性嫌悪」、「女性蔑視」のことであると理解されています。『ひれふせ、女たち ミソジニーの論理』は、コーネル大学哲学科准教授であり、倫理・社会・フェミニズム哲学を専門とするケイト・マン氏による1冊です。一般的に浸透している言葉の意味を超えて、ミソジニーという概念を分析哲学的アプローチで再定義し、なぜアメリカ大統領選でドナルド・トランプがヒラリー・クリントンをおさえ勝利したのか? なぜ「インセル」による女性の殺人事件が起こるのか? 等について…