空軍力のない時代、戦争においては艦船の確保と運用は大いに物を言った。四囲を海に囲まれている日本の場合は特にそうである(世界で面積は61位、海岸線の長さは6位)。 「戊辰戦争(1868-1869)」では江戸開城後も「榎本武揚」は幕府艦船の多くを新政府に引き渡さず北海道に行って「蝦夷共和国(英仏は事実上の政権認定)」を建てた。新政府は函館湾海戦でこれを殲滅したが実態は各藩の艦船出動に頼る危ういものであった。それまでは幕府を除けば薩摩藩が最多の艦船と唯一の造船所を保有していた。「島津斉彬」の「集成館事業」の成すところである。薩摩藩も実態は独立国のようなものであったのだろう。 新撰組の「近藤勇」と「土…