大阪・法善寺横丁のダメ亭主とシッカリ物・妻の夫婦愛を描く、織田作之助の小説。およびその舞台化、映画化作品。
朝日放送(ABCテレビ)制作TBS系列で放送された素人夫婦によるトーク番組。
司会:ミヤコ蝶々・南都雄二
大阪の名物ぜんざい。
創業以来、その伝統を頑なに守り続ける夫婦善哉。今や、大阪名物を語るには、はずせない代名詞のひとつとなっています。そのはじまりは、法善寺境内の藤の棚の下で、浄瑠璃語りの竹本琴太夫が副業としてはじめた「めおうとぜんざい」(明治16年・1883年創業)からと伝えられています。
世間に広く知られるようになったのは織田作之助の小説「夫婦善哉」と同名の映画に登場してから。また、この物語の中で柳吉と蝶子が、夫婦善哉のいわれを語るシーンがあります。
●柳吉
「こ、こ、ここの善哉はなんで、二、二、二杯ずつ持って来よるか知ってるか、知らんやろ。こら昔何とか太夫ちゅう浄瑠璃のお師匠はんがひらいた店でな、一杯山盛にするより、ちょっとずつ二杯にする方がぎょうさんはいってるように見えるやろ、そこをうまいこと考えよったのや」
●蝶子
「一人より女夫のほうが良えいうことでっしゃろ」
放蕩で甲斐性のない柳吉が知ったかぶりで話し、喧嘩は絶えないが惚れた弱みで別れられない蝶子がすぐさま切り返す。商魂たくましい浪速商人の知恵と、夫婦気分で味わった方が甘いという。この粋なやりとりは、まさに大阪・浪速を象徴しているのではないでしょうか。
「どや、なんぞ、うまいもん食いに行こか」と、柳吉が蝶子を誘って善哉を食す。この物語のように、あなたも一度、夫婦善哉の世界に足を運んでみませんか。