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大野晋

(一般)
おおのすすむ
職業
国語学者、学習院大学名誉教授
出身
大正8年(1919年)、武蔵国東京都江東区深川
学歴
東京大学文学部国文学科卒業
業績
日本語とタミル語が兄弟の関係にある事の証明に尽力した

東京深川で生れた大野さんは、下町で育ちつつ高校時代に東京の下町と山の手との間の文化の違ひに気附き、「日本とは何か」と云ふ疑問を抱いて行つた。
やがて其の疑問は日本語の探究と云ふ方面で実現して行く道を選ぶのであつた。彼は東京帝国大学に入学し、生涯の師匠である橋本進吉博士に日本語についての様々な知識を得た。博士の手法や再発見された「上代特殊仮名遣」の存在や日葡辞書などを活用した安土桃山時代における日本語音韻の有り方の見出し方など、厳格細密な学問を意慾的に勉強して行つたが、戦中の最中に博士は亡くなつてしまつた。
女学校で教鞭を揮つた時もあつた。国語国字問題に首を突込んだ時もあつた。其の后、岩波書店から古語辞典編纂の仕事が舞込み、何年も何年も其の仕事に没頭する事になつたのである。其の后、『源氏物語』や本居宣長の研究を行ひ、やがて、還暦の辺りに南印度のタミル語に着目するやうになつた。
日本語とタミル語が過去に同じ言語から分化して行つたとする説であるが、初めの頃は各方面から批判が相次いだらしい。然し乍ら、橋本博士の学問的手法を自己のものとして更に発展させて行つた彼は、其れら批判も然して気にはしなかつた。彼は言ふ、「自分の見込みが正しければ、事実のはうから見込みの線上に当て嵌まつて来る」と。結局さう云ふ事なのである。
此処最近、彼は自分なりの「日本とは何か」と云ふ疑問の答を導き出したやうだ。結局は神も日本語其れ自体も全て輸入に依り成立つてゐると云ふ事を。此れからの日本人に対する彼からのメッセージは、此れからも日本人は文化の輸入で進んで行かなければならないが、良いものと悪いものを取捨選択して行く技術や感性を失はないやうにして欲しいと云ふものであつた。非常に聡明なお方だと思ふ。

主な著作一覧

因みに私のお薦めは『日本語の教室』です。先づは此れをお読み下さい。(id:Petronius)

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