リスト:リスト::出版社 1946年白石義明(1914-)が創業。白石は福島県出身。社屋は文京区本郷。当初は人文書一般を刊行したが、1950年代から国文学研究書を刊行し、雑誌『国語国文研究』(北大)を刊行。のち社長は白石タイ(妻)、白石静男(弟)、白石禎彦(長男)と変わる。塙選書、塙新書なども刊行。
●歌は、「春の園紅にほふ桃の花下照る道に出で立つ娘子」である。 茨城県土浦市小野 朝日峠展望公園万葉の森万葉歌碑(大伴家持) 20230927撮影 ●歌碑は、茨城県土浦市小野 朝日峠展望公園万葉の森にある。 ●歌をみていこう。 巻十九の巻頭歌である。その題詞は、「天平勝寶二年三月一日之暮眺矚春苑桃李花作二首」<天平勝宝(てんぴやうしようほう)二年の三月の一日の暮(ゆうへ)に、春苑(しゆんゑん)の桃李(たうり)の花を眺矚(なが)めて作る歌二首>である。 (注)天平勝宝二年:750年 ◆春苑 紅尓保布 桃花 下照道尓 出立▼嬬 (大伴家持 巻十九 四一三九) ※▼は、「女」+「感」、「『女』+『感…
毎週日曜日は、この一週間(3/25~3/31)に週刊誌や新聞などの書評に取り上げられた旬の本を紹介しています。書評内容については各誌・HPなどをご覧ください。 今週の書評本 *表示凡例◆掲載された媒体: 発行号数 掲載冊数書籍タイトル 著者.編者 出版社 税込価格 書評掲載回数(②回以上を表示) ◆サンデー毎日「遠回りの読書」: 4/7 号 2 冊俺と師匠とブルーボーイとストリッパー 桜木紫乃 角川文庫 814 ②江戸へおかえりなさいませ 杉浦日向子 河出文庫 703 ◆女性自身「今週の本」: 4/9 号 4 冊うらはぐさ風土記 中島京子 集英社 1,870僕の狂ったフェミ彼女 ミン・ジヒョン…
●歌は、「恋しければ袖も振らむを武蔵野のうけらが花の色に出なゆめ」である。 茨城県石岡市小幡 ライオンズ広場万葉の森万葉歌碑(プレート) 20230927撮影 ●歌碑(プレート)は、茨城県石岡市小幡 ライオンズ広場万葉の森にある。 ●歌をみていこう。 ◆古非思家波 素弖毛布良武乎 牟射志野乃 宇家良我波奈乃 伊呂尓豆奈由米 (作者未詳 巻十四 三三七六) ≪書き下し≫恋(こひ)しけば袖(そで)も振らむを武蔵野(むざしの)のうけらが花の色に出(づ)なゆめ (訳)恋しかったら私は袖でも振りましょうものを。しかし、あなたは、武蔵野のおけらの花の色のように、おもてに出す、そんなことをしてはいけませんよ…
数年前から寸葉さん(骨董屋)の所に、徳岡神泉宛書簡が出ている。ただ、これはというものがなくて私は買っていない。同じく竹内栖鳳門下で神泉に比べると知名度が劣る土肥蒼樹宛の書簡も以前から寸葉さんで見かける。こちらは数枚持っているので、今回そのうちの1枚を紹介しよう。 昭和16年10月3日付け高橋信之助から京都市の上田慶之助気附蒼樹宛絵葉書である。絵葉書は、新しき村東京支部から発行され、鳩居堂で10月7日から10日まで開催される武者小路実篤個展の案内*1が印刷されている。 高橋及び上田は、共に新しき村の村内会員だった人物である。『志賀直哉全集』16巻(岩波書店、平成13年2月)の「日記人名注・索引」…
今年から、万葉集を勉強することにしたのですが、自分に合ったやり方をようやく見つけることができました。 折口信夫さんや佐々木信綱さんの万葉集の本をkindleで買ったり、それに関連する本をいろいろとあたっていたのですが、現代語訳が自分に何かしっくりこないものがありました。 そこで、いろいろと悩んでいたのですが、やっと、自分のやり方が見つかりました。今回は、その方法を書きます。 本当は、近くかオンラインでの講座があればそれに参加するというのがいいのかもしれませんが、また、youtubeでも適当なものが見当たりませんでした。そこで、独学にしました。 最初に、テキストは塙書房の『萬葉集 本文篇(補訂版…
特集『律令官人制研究の新展開』 ◆律令官人制をめぐる諸問題:サボる官人を中心に(上村正裕*1) (内容紹介) 「官人のサボり(懈怠)」が論じられていますが小生の無能のため詳細な紹介は省略します。 参考 【歴史遺産コース】歴史研究の進め方―通説を疑ってみる― | 歴史遺産コース | 通信教育課程 こんにちは。京都芸術大学歴史遺産コース業務担当非常勤講師の上村正裕です。 私は日本古代史を専門にしていますが、天皇のあり方に強い関心を持っています。 平安京遷都や蝦夷征討などを実現した桓武天皇は、専制君主であると思っている人が多いことでしょう。 ただ、桓武天皇には、こんな逸話があります。 「進奏の紙、臭…
特集『日本の近代化と貨物鉄道:一五〇年*1を迎えて』 (前振り) 「貨物鉄道150年」については以下を紹介しておきます。 貨物鉄道輸送150年記念特設サイト | JR貨物 日本貨物鉄道株式会社 貨物鉄道輸送は、(ボーガス注:旅客)鉄道が開業した翌年の1873年(明治6年)9月15日に、旅客と同じ新橋~横浜駅間で貨物列車の運行が開始され、今年で150年の節目の年を迎えました。 <東京新聞 鉄道クラブ スペシャル>いいね!貨物 きょう開業150年 「鉄さんぽ」で推しトーク:東京新聞 TOKYO Web2023.9.15 9月15日は日本の貨物鉄道開業150年の記念日。(ボーガス注:旅客)鉄道が開業…
昭和48年(1973)4月20日 初版発行 森浩一 編 塙書房 ¥2100 最後のスクーリング受講前日、田原本町の「エイワ書店」さんで入手した。 尾崎喜左雄氏、白石太一郎氏、森浩一氏、網干善教氏らによる終末期古墳に関する論 考が当然掲載されている一冊である。 某は古墳屋ではないが・・・群馬県は古墳大国!!古墳に関する研究も盛んに行われ ており、それに関する講演会も多々開催されている。 知識として知っておいて損はない。がっ、やはり専門外であり読破には骨が折れた💦 古墳研究者は読んで損はない一冊であり、古書店で探してみては如何だろうか。
特集『関東大震災研究の論点と課題2023』 無能な小生にとって、可能な範囲で紹介します。 【前振り】 【1】 関東大震災 朝鮮人犠牲者追悼式典へ小池都知事 追悼文送らず | NHK | 地震2023.8.18 関東大震災 朝鮮人虐殺「記録ない」/官房長官 資料の存在を無視2023.8.31 小池や岸田政権なら「予想の範囲内」ですが心底呆れます。 なお、「反共分子」kojitakenが「俺に好意的」なら関東大震災から100年。震災直後に起きた朝鮮人虐殺に関する歴史修正主義とレイシズムについては松野博一もひどいが小池百合子も最悪 - kojitakenの日記でこの拙記事を紹介してくれるんでしょうね…
君嶋亜紀さんの『中世和歌の情景 新古今集と新葉集』(塙書房)を読みました。大著。南朝和歌関連年表、和歌索引とも全546頁。しかし大著たる所以は分量でなく、和歌文学論でありつつ一時代の歴史を語り、政治と人間の関係を照らし出していることです。序章「新古今集と新葉集」と終章「中世和歌史上の『新葉集』」との間を、「新古今とそれ以後」「南朝和歌」の2篇に分け、前篇はⅠ桜花の表象 Ⅱ本歌取りの諸相 Ⅲ歌ことばの水脈 という構成で、新古今集の表現とそれを継承する流れを辿り、後篇は新葉集の表現を中心に追究して、宗良親王とその周辺の存念を描出する10章で構成しています。 私は第二篇に注目して読んだのですが、表現…