新装版 虚無への供物(上)(下)中井英夫講談社2004年4月15日 第一刷発行この小説は、1964年に塔晶夫(とうあきお)の名前で初めて講談社から発行された。 友人が、本書が中井英夫の作品の中でも特にお薦めと言ってくれたので、図書館で借りてみた。新装版があったので、文庫本、上下でかりてみた。 『虚無への供物』は、最初は中井英夫の作品としてではなく、塔晶夫の作品として世に出た作品。69年には、中井の作品であることが明らかにされて、かつ、手直しされて再度出版された。この新装版は、2003年12月10日が中井英夫の没後10年の命日であり、2004年は『虚無への供物』が刊行されて40年という節目という…