つぼうちしょうよう 1859年(安政6年)〜1935年(昭和10年) 美濃国生まれ 評論家 翻訳家 劇作家 作家
明治18年(1885年)に『小説神髄』を発表し、勧善懲悪が基本だった当時の日本に西洋の近代小説観を広めた。同年その実践として位置付ける『一読三歎 当世書生気質』をあらわしたが、自らの創作理論の徹底とはいかなかった。明治24年(1891年)に「早稲田文学」を創刊する。主観(理想)を直接的にあらわさずに客観的な描写に終始すべきという創作観を森鴎外に反駁され論争に発展、没理想論争として展開される。
昭和3年までにシェイクスピア全集全40巻を完訳。日本に西洋演劇を紹介した第一人者。また自ら作劇も手がけ、史劇『桐一様』(明治27年 1894年)などを発表する。