宮本常一の著作。 昭和30年頃、土佐・檮原村の橋下の粗末な小屋に住む盲目の老人から、その一生について聞き取り、老人の語り言葉そのままに書きしるした。夜這いの子としての少年時代、馬喰(牛の仲買)としての綱渡りの生活、様々な女性との遍歴、(数々の悪事がたたったのか)盲目になり、最後は散々粗末に扱ってきた妻の元に戻ったこと。そんなことが生々しく、そして生き生きと書かれている。
『東京新聞』の記事; 坂本長利さん死去 俳優 2024年3月22日 07時26分 坂本長利さん(さかもと・ながとし=俳優)*120日、老衰のため死去、94歳。島根県出身。葬儀・告別式は26日午後1時から栃木県佐野市韮川町578の1、佐野斎場で。所属事務所「響和堂」*2が主催するしのぶ会を4月21日午後1時から東京都羽村市で開く予定。 民俗学者の宮本常一が高知県で聞き取った老人の一代記「土佐源氏」*3を一人芝居化し、50年以上演じた。テレビドラマ「Dr.コトー診療所」の村長役も演じた。 (後略) https://www.tokyo-np.co.jp/article/316576 忘れられた日本人…
俳優の坂本長利さんが亡くなられたことを、プロデューサー仲村さんから知らされた。 宮本常一著「土佐源氏」のひとり舞台。上演回数は1200回を超えた。宮本先生の故郷、周防大島公演は僕の知る限り3回。公演時はいつもこの沖家室で過ごされ、小庵鯛の里は坂本さんやスタッフの宿泊や料理の機会をいただいた。 かつては日活の映画にたくさん出演され、Dr.コトー診療所の村長役もされた。最近ではドラマ「深夜食堂」に出演され、味わいのある演技に魅了した。 リンクページは2019年。周防大島公演では90才を迎えられ、卒寿記念公演となった。その夜は、泊清寺で誕生祝いをした。あんなに元気だったのに。 ご冥福をお祈りします …
関連 4月 3月 2月 1月 関連 2023年 ami-gonag50.hatenablog.com 4月 15日 REITA ミュージシャン the GazettEベーシスト。10日 O・J・シンプソン(76)元アメリカンフットボール選手、俳優 がん NHL殿堂入り。俳優として「タワーリング・インフェルノ」O・J・シンプソン事件で無罪判決。サン村田(83)画家、デザイナー、イラストレーター、ジャズバイオリニスト 事故死 「チョッちゃんが行くわよ」表紙や、絵本を数多く手がけた藤岡康太(35)騎手 落馬事故 07年デビュー。ヤマニンプロローグで初騎乗初勝利。2023年に自身最多のJRA年間63勝…
能登半島地震の被害状況がわかってくる。募金からとか、私にできることを少しずつしていくしかない。 それと、帰省中に被災したお友達に何かお見舞いをできたらと思う、落ち着いたら。 夕方、支援物資を輸送する海上保安庁の飛行機が羽田でインシデント。機長以外の5人が亡くなってしまった。辛い。 被災地も二次的な被害も、なるべくこれ以上広がらないよう願うことしかできない。 日常 goes on 食べて寝てダラダラしてただけのお正月らしい日。朝ごはんはおしるこ、おもちは2個。 夜は朝食べそこねたおじや(あるって言われてない!)と蟹とおせちの残りとスモークサーモンとか。やっぱりスモークサーモンが一番おいしい私はロ…
まずはChat GPTさんの答えから… 宮本常一の「忘れられた日本人」が高い評価を得ている理由は、複数の要素に基づいています。この作品は、昭和14年(1939年)以降、日本全国を歩きながら民間伝承を調査した宮本による著作で、日本の辺境地で暮らす人々の存在を歴史の舞台に浮かび上がらせるものとされています。宮本のこの研究は、柳田国男が言及を避けてきた性風俗や被差別民についての積極的な研究に特徴づけられており、フィールドワークに裏打ちされたエピソードが多くの読者にとって興味深いものでした。 この作品は特に、「女の世間」と「土佐源氏」という章が印象に残ると評されています。前者は農村の女性たちの…
宮本常一、安渓遊地『調査されるという迷惑』を読んだ(再読)。 調査されるという迷惑―フィールドに出る前に読んでおく本 作者:宮本 常一,安渓 遊地 メディア: 単行本 内容は紹介文の通り 「あれでは人文科学ではなくて訊問科学だ」――旅する民俗学者、宮本常一の言葉を受け止めた、フィールド・ワーカーの実践 というもの。 フィールドワークをやる人、やりたい人は、必読の本であろう。 以下、特に面白かったところだけ。*1 宮本常一の体験 昭和三〇年すぎの頃だったが、私は秋田県米代川流域の山村、上小阿仁村へ調査に行ったことがある。 (24頁) 農地解放が行われ、農地調査団が農地の完全開放を「叫ん」だところ…
・ ・ ・ 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。 ・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・ 同じ日本人でも、現代の市民と昔の庶民は違う。 日本の庶民は、中国・朝鮮や欧米など世界の搾取される人民や虐待を受ける民草でもなく、権利を主張し対等・平等を求める大衆や民衆でもなく、辺境の田舎に住むムラ人であった。 ・ ・ ・ 日本列島各地にある数多くの伝統的祭りは、庶民の宗教的祭りであって領主・実力者・権力者・支配者・征服者を楽しませる豪華絢爛なイベントではなかった。 ・ ・ ・ トライイット ホーム社会中学社会中学歴史江戸時代武士による支配 中学歴史 身分別の人口の割合 幕末のごろ…
「~はノンフィクションではなく創作が混ざっている」「ただしそれは綿密な取材や交流が成り立った上での著者が当時者になりかわってその心の中を描くことができる段階での創作である」ということらしいですわオレの理解だけどね(何の話かは2つあるが略) ここは日記なので略さないでかくと 1つは「苦界浄土」もうひとつは宮本常一の「土佐源氏」 のようです 基本的に別にノンフィクションが偉いとか真実がえらいとか 事実だけがすべてとか いうやつはしにたえてしまえばいいと思うのん オレはなんでもいいじゃんの立場です 「丸丸です」「学術論文です」「すべて真実です」と言って それを出すんならその通りにしないといけないルー…
森崎和江の聞き書きを読んで、その魅力について考えたときに、次に読んでみようと自然と思いついたのが、この本だった。ずいぶん前に買って拾い読みはしていたのだが、通読したのは今回が初めてだった。通読して、解説で網野義彦が「最高傑作」とほめそやす理由がようやくわかった気がした。 「土佐源氏」などのユニークな自分語りの面白さが目を引くが、著者の幅広い経験とそれに基づく深い認識は、この本のすべての記述に埋め込まれている。 たとえば、本書では「世間」という言葉が様々なエピソードを通じて語られている。かつて「世間」は日本の論壇(西洋史の阿部謹也ら)において徹底的に批判された概念だった。曰く、日本には「社会」が…