「でも、〇〇はひとみちゃんの事、好きだったんだよね。」 コロナ禍が明け、久しぶりの同窓会だった。それを主催したKが斜向かいから僕に言った。 「なんでそういうこ事になってんのよ。」僕は飲めないビールをごくりと飲んだ。 「だって、美術の時間にひとみちゃんの事、すごく綺麗に描いたじゃない?」 ひとみは僕の隣で「えー、そうなの?言ってよー。」とKと一緒に僕をからかった。 13歳、中学二年生。 クラス替えがあり、僕とひとみは席が隣同士になった。 ひとみを異性としてみた事はなかった。もっと好きな子がその当時はいた、と思う。 ひとみは肌が白く、華奢で、僕にはそれが弱々しく病弱にさえ見えた。 こんな感じの品の…