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商標登録

(一般)
しょうひょうとうろく

商標登録出願された商標が、特許庁の審査官の審査を経て、特許庁の原簿に登録されること。商標登録されると、商標権が発生する(商標法第18条第1項)。
大辞林によると、商標登録出願するという意味で「商標登録」の語が使われる場合もあるようだ。
ギコ猫やのまネコは、商標登録出願はされたが、出願が取り下げられたため、商標登録はされなかった。
商標登録を受けている商標を「登録商標」という(商標法第2条第2項)。
cf. 登録商標
なお、「商標登録出願中」のものは、商標登録されるのか、審査官が拒絶査定をするのか未確定なものであるため、注意が必要。

時系列的な説明と条文

まず、商標について商標権の付与を希望する人は、特許庁に商標登録出願をします。特許庁に「申請」なんて書いてある記事を見ることがありますが、商標法上は、「申請」ではなく、「商標登録出願」といいます。

(商標登録出願)
第五条  商標登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した願書に必要な書面を添付して特許庁長官に提出しなければならない。
  一  商標登録出願人の氏名又は名称及び住所又は居所
  二  商標登録を受けようとする商標
  三  指定商品又は指定役務並びに第六条第二項の政令で定める商品及び役務の区分
(第2項以下略)

なお、特許権/実用新案権/意匠権では、創作をした者がまず「特許/実用新案登録/意匠登録を受ける権利」を取得し、他の者は創作者からこの権利を譲り受けなければ出願ができませんが(著作権も「著作者」がまず取得する)、商標権についてはそのような規定がありません。これは、商標権が、特許権・実用新案権・意匠権とは異なり、商標を創作したこと自体の価値を認める建前に立っていない(いわば、商標を「創作物」ではなく単なる「選択物」として捉えている)ためです。

(参考)
特許法第29条第1項柱書 産業上利用することができる発明をした者は、次に掲げる発明を除き、その発明について特許を受けることができる。
実用新案法第3条第1項柱書 産業上利用することができる考案であつて物品の形状、構造又は組合せに係るものをした者は、次に掲げる考案を除き、その考案について実用新案登録を受けることができる。
意匠法第3条第1項柱書 工業上利用することができる意匠の創作をした者は、次に掲げる意匠を除き、その意匠について意匠登録を受けることができる。
著作権法第17条第1項 著作者は、次条第1項、第19条第1項及び第10条第1項に規定する権利(以下「著作者人格権」という。)並びに第21条から第28条までに規定する権利(以下「著作権」という。)を享有する。

商標登録出願があった場合、審査官が審査をします。

(審査官による審査)
第十四条  特許庁長官は、審査官に商標登録出願を審査させなければならない。

審査官は、商標登録出願に拒絶理由がない場合には、商標登録をすべき旨の査定をします。

(商標登録の査定)
第十六条  審査官は、政令で定める期間内に商標登録出願について拒絶の理由を発見しないときは、商標登録をすべき旨の査定をしなければならない。

商標登録をすべき旨の査定を受けたとき、商標登録出願人は、登録料を所定の期間内に納付します。

(登録料)
第四十条  商標権の設定の登録を受ける者は、登録料として、一件ごとに、六万六千円に区分(指定商品又は指定役務が属する第六条第二項の政令で定める商品及び役務の区分をいう。以下同じ。)の数を乗じて得た額を納付しなければならない。
(第2項以下略)

(登録料の納付期限)
第四十一条  前条第一項の規定による登録料は、商標登録をすべき旨の査定又は審決の謄本の送達があつた日から三十日以内に納付しなければならない。
 2  特許庁長官は、登録料を納付すべき者の請求により、三十日以内を限り、前項に規定する期間を延長することができる。
(第3項略)

登録料の納付があった場合、商標権の登録がされます。この商標権の登録が、商標登録のことです。

(商標権の設定の登録)
第十八条  商標権は、設定の登録により発生する。
 2  第四十条第一項の規定による登録料又は第四十一条の二第一項の規定により商標登録をすべき旨の査定若しくは審決の謄本の送達があつた日から三十日以内に納付すべき登録料の納付があつたときは、商標権の設定の登録をする。
(第3項以下略)

この商標権の設定登録は、商標原簿にされます。

(商標原簿への登録)
第七十一条  次に掲げる事項は、特許庁に備える商標原簿に登録する。
  一  商標権の設定、存続期間の更新、分割、移転、変更、消滅、回復又は処分の制限
  二  防護標章登録に基づく権利の設定、存続期間の更新、移転又は消滅
  三  専用使用権又は通常使用権の設定、保存、移転、変更、消滅又は処分の制限
  四  商標権、専用使用権又は通常使用権を目的とする質権の設定、移転、変更、消滅又は処分の制限
 2  商標原簿は、その全部又は一部を磁気テープ(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録して置くことができる物を含む。以下同じ。)をもつて調製することができる。
 3  この法律に規定するもののほか、登録に関して必要な事項は、政令で定める。

この商標権の設定の登録を誰がやるかというと、第71条第3項を受けて定められている商標登録令第7条に規定されているように、特許庁長官です。

(職権による登録)
第七条  次に掲げる事項の登録は、特許庁長官が職権でしなければならない。
 一  商標権の設定、存続期間の更新、変更、消滅(放棄によるものを除く。)若しくは回復又は書き換えられた後の指定商品並びにその商品及び役務の区分(第二号以下略)

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