今年の2月は閏年で29日まであった。先月から1冊増え、13冊。 1.ディーノ・ブッツァーティ 脇功訳『タタール人の砂漠』岩波書店(岩波文庫) www.iwanami.co.jp 生真面目な将校ジョヴァンニ・ドローゴの生涯を描いた小説。配属地にて砂漠の民(タタール人)のいつ来るともしれない襲撃に「備え」ながら日々を過ごすドローゴと周囲の人々−変わらない人、変わっていく人−の姿を淡々と描く。主人公の一生分の時間を追う作品は久々に読んだので、ページ数に対して読後感は比較的重め。 軍人たちを主な登場人物に据えていながらも、派手な戦闘シーン等はない。むしろ、世の中にさまざま出ている小説というものの中でも…