1957年、香川県生まれ。フランス哲学研究者。 東京都立大学人文学部助教授を経て、明治大学文学部教授。 一橋大学社会学部卒業、東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程中退。
エマニュエル・レヴィナスの研究などで著名。
主な著作:
サルトル『むかつき』ニートという冒険 (理想の教室)
レヴィナスを読む―「異常な日常」の思想 (NHKブックス (866))
ジャンケレヴィッチ―境界のラプソディー
レヴィナス―存在の革命へ向けて (ちくま学芸文庫)
レヴィナスの思想―希望の揺籃
読んだ本 ユヴァル・ノア・ハラリ『ホモ・デウス 下:テクノロジーとサピエンスの未来』河出文庫 (2022) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com 合田正人『フラグメンテ』法政大学出版局 (2015) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『ホモ・デウス』もいよいよ終盤にさしかかってきた。 今日は100項まで読み進めたので折り返し点を過ぎたあたりである。 上巻の終盤からは、人間のつくりだす虚構が21世紀でも歴史的に重要な位置を占めるという話でまとまった。 ・・・ 下巻の序盤の内容は、世界的な権威が宗教から科学に…
『市子』戸田彬弘/監督。市子は欲を持ってしまった。欲を持ってしまって、生き延びる。 現実とわたしとを見て、できるだけあらゆる手を使って自由に見て、どのようにやっていくか、付き合っていくか、向き合っていくか。それに尽きるのか。とか、どれだけ追い詰められたと思ってもけっこう選択肢はある、とか、後から思う。別の市子の選択が無数にあって、もっと欲深く卑しい側を濃く描いたのを観たかったらしき私だったのかと思った。さまざまなジャンルの人が、そういう人としてすごい極端にパターン化されて描かれているのも嫌だなと思ったり、伝えたいこと、分からせたいことの成分が細かいところで強すぎる感じがして、そちらが気になって…
1.「潜在的母体」としての〈近さ proximité〉概念 本稿は、20世紀フランスの哲学者エマニュエル・レヴィナス(1906 - 1995)の第二の主著である『存在の彼方へ あるいは存在するとは別の仕方で』(以下、『存在の彼方へ』)において頻出する〈近さproximité〉概念の内実を明らかにすることを主たる目的とする。しかし、だからといって、〈近さ〉を主題化して、すなわち「〈近さ〉とは~である」というかたちで論述する方法を採用しない。というのは、レヴィナスは「主題化」に一種の「暴力」を見出しているからである。概念を主題化するということは、「普遍的な理解可能性」のうちにそれを置くということで…
9/15(金) 18:00 - 20:00 セルア・リュスト=ブルビナ 鵜飼哲 澤田直「フランツ・ファノン:そのアンガジュマン、知性、遺産」日仏会館ホール https://www.mfjtokyo.or.jp/events/co-sponsored/20230915.html 黒い皮膚・白い仮面 【新装版】 作者:フランツ・ファノン みすず書房 Amazon 地に呪われたる者 【新装版】 作者:フランツ・ファノン みすず書房 Amazon フランツ・ファノン 作者:海老坂 武 みすず書房 Amazon いくつもの砂漠、いくつもの夜――災厄の時代の喪と批評 作者:鵜飼哲 みすず書房 Amazon…
前回 [過去の読了書記録から (7) - 2006年1月~6月] をアップしたのは、去年の9月20日。 えらく間があいたもんだが、その続き。 ・07/01 高橋いさを オリジナル・パラダイス (論創社、2006)・07/03 高橋昌一郎 ゲーデルの哲学 不完全性定理と神の存在論 (講談社新書)・07/07 久住昌之(原作)・谷口ジロー(作画) 孤独のグルメ (扶桑社、2000)・07/08 井上靖ほか28名 読書と私 (文春文庫)・07/09 堀内勲 赤ちゃんはスリッパの裏をなめても平気 (ダイヤモンド社、2002)・07/16 太田龍 長州の天皇征伐 (成甲書房、2005)・07/19 ジー…
気象庁の「梅雨入り宣言」とは、例年の梅雨の時期・一週間程度雨が降る・当日も雨という基準で出されるのだそうな。そんなふわっとした「基準」ならいっそ出さなくても誰も困らないと思うのだが。宣言あろうがなかろうが、週間天気予報見れば雨かどうか分かるわけだし。 ○戸川隆介編纂『中国料理食語大辞典』(如月出版)○ロジェ・グルニエ『パリはわが町』(宮下志朗訳、みすず書房)……断章による自叙伝(作家と街との)。杉本秀太郎『洛中生息』と並ぶべし。○筒井ともみ『舌の記憶』(新潮文庫)……文体が合わなかった。○谷田博幸『図説ヴィクトリア朝百貨事典』(ふくろうの本、河出書房新社)……ディケンズなど読む時に重宝する一冊…