懐かしの藤子不二雄(当時の名義。A先生単独作品とのこと)アニメ、『怪物くん』(一九八〇~一九八二)の主題歌がふと脳内で流れました。ドラキュラ、オオカミ男、フランケンを従えた怪物くんが、良い怪物とコントを演じたり、悪い怪物を退治したりする物語です。そこで考えたのですが。 愉快で痛快な物語というのは、往々にして、笑われたり退治されたりする「怪物」的存在を必要とするのではないでしょうか。 ドイル『四つの署名』の脇役は言いました。 ※ 「まるで小説を読むようでございますわ」フォレスタ夫人は溜息(ためいき)をついた。「美人の受難、五十万ポンドの宝物、食人の蛮人、木の義足をつけた悪者、―竜(ドラゴン)や騎…