たとえば三次元空間のベクトル v=(x,y,z) それぞれに対してある数を返す関数 f(v) を考える。そしてそれらのうち「線形」な関数すべての集合を考える。関数が線形であるというのは、関数の引き数に和や定数倍を入れるともとの答えの和や定数倍になることで、式で書けば f(a v1 + b v2)= a f(v1)+ b f(v2) となる。そのような線形な関数の集合を元の空間の双対空間と呼ぶ。三次元の例であれば、そのような関数は a x+b y+c z という形の一次関数に限られる。これを(a,b,c) というベクトルと考えると、双対空間は元の空間と同じ次元を持つベクトル空間となる。
ベクトル空間 の双対空間は一般的にと表記する。
双対空間の双対空間は、ある線形関数f に対してf(v) という値を返す形になり、v の集合すなわち元の空間にもどる。
ベクトル空間として、たとえば区間で定義された関数 f(x) の集合を考えることもできる。この場合各関数に対してある値を返す線形関数の集合を考えると、f に対して f(a) を返す、というものも含まれる。一般には線形関数は f に対して を返すという形になり、関数 g(x) で双対空間の要素を表すことができるが、f(a) を返す場合は g(x) はデルタ関数 δ(x-a)になる。実はこれがデルタ関数のフォーマルな定義。
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