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原子力発電所

(サイエンス)
げんしりょくはつでんしょ

発電所の一つ。原子炉内で核分裂を起こし、それによって発生する熱で蒸気を発生させ、その蒸気でタービンを回転させる事によりそれに繋がれた発電機で電気エネルギーを生む。
核分裂反応自体からは温室効果ガスは発生しないため、温暖化防止のために火力発電削減し、原子力発電所を建設しようとする動きが世界でも近年浮上してきている。
再処理核燃料などの核燃料サイクル、MOX燃料を利用したプルサーマル計画などが進んでいる。国際熱核融合実験炉(ITER)の六ヶ所村設置にも名乗りを上げたが、欧州への設置が決まった。
日本では1970年代に建設が本格化した。原発の寿命は40年程であり2010年には原子力発電所の解体と処分の問題が課題となる。

原子力発電の問題点

放射能漏れ
燃料棒・ならびに核分裂後の物質は、強力な放射能を持っている。また、設備内部を行動する際の着衣や用具などは、微量の放射性物質が付着しているおそれがあるため、原則として焼却処分される。これらの物質は、放射性廃棄物に分類され、放射線量の少ないものはドラム缶への貯蔵・および管理が義務づけられる。
また、発電所周辺に放射線が漏れる度合いは、自然界で照射されるそれと比べても、ごく微量であるとの見解が示されている。しかし環境保護団体の多くは、その見解を文字通りには信じてはいない。
また、発電所の所員、そして作業員(多くの場合、アルバイトである)への被曝に関しては、放射線量測定のためのフィルム式バッジを装用して日常的にチェックが行なわれている。危険性の高い作業で着る作業服「放射線防護服」は放射線を遮る機能は一切ない。放射線を出す物質に直接触れないようにしているだけであり、所員や作業員は被曝をしている。よって作業内容によっては短時間しか作業出来ない。
炉心溶融(メルトダウン)の危険性
日本の発電設備で使われている原子炉のタイプでは起きにくいとされている。が、日本は地震国であるため、建造物や原子炉のパーツが大地震にどこまで耐えられるか(そして損傷の度合いなど)は、未知数の部分が多いのも事実である。
放射性廃棄物の処理
地震の多い日本であるが、現在では地下300m以下の安定した地層に穴を掘り、そこに廃棄物を埋蔵処分する手法が検討されている。
燃料の再処理
核分裂後の燃料棒には、その過程でプルトニウムが残されている。これを再び取り出して原子炉で使用できる燃料にするための設備が核燃料再処理工場である。が、その工程の過程で使われる劇物などの薬品による工場周囲の環境汚染や、恒常的な・あるいは事故発生時の放射能漏れの事態に関しては、工場での作業員・周辺などにどのくらいの被曝が発生するか現時点では想定されえない要素が多くある。このため世界各地で、環境保護団体による工場の操業・あるいは工場の建設自体を中止する旨の抗議が、多数あがっている。
用地問題
日本でも原子力発電所は人口の多い地域では反対が多くて建設が困難であり、過疎地など反対者の人数の絶対人口が少なく、地元の経済を支えるために原子力発電所を受け入れる余地のある場所を選んで立地している。
費用
原子力発電に必要なウラニウムは稀少鉱物であり、非常に高価。しかも輸入に頼っているのが現状。採掘、輸送のために大量の人材と化石燃料を消耗するため温暖化防止に貢献しているとはいえない。「原子力発電は安上がり」と唱える推進派は多いが、発電以外の目的に原子炉を使ったものは、地上で使うものとしては原子力潜水艦と空母しか現在せず、そのどちらも、推進装置に通常動力船の何倍もの費用を必要としている。原子力推進の商船は60年代に試作されたものの一隻も成功していない。船会社は船の運航費にシビアである。電力会社が電気料金の値下がりを嫌って、原発を推進しているという説もある。

日本の原子力発電施設

安全性の受忍限度

NIMBYとしての性格を持つ原子力発電所は過疎地域等に立地。大都市中心では受忍限度を超えても、過疎地では受忍限度内として、二重基準で処理されている。
この問題を取り上げた映画として「東京原発」がある。

東京原発 [DVD]

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予算の問題

新エネルギーの予算の2/3近くが原子力である。これはフランスの新エネルギーの全予算の額並であり、極端に原子力に偏っている。
雑多な新エネルギーやバイオメタノールやバイオエタノールなどへの予算の少なさとは、あまりにもギャップが有りすぎるとの批判も。

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