一条真也です。彼岸の中日に、『鏡花と怪異』田中貴子著(平凡社)を紹介します。泉鏡花の文学における怪異性に焦点を当てた文学評論で、2006年5月に刊行されています。著者は、1960年京都生。奈良女子大学文学部、広島大学大学院文学研究科修了。博士(日本文学)。日本中世文学専攻。甲南大学文学部教授。 本書の帯 本書の帯には、「五月夜や尾をだしさうな石どうろ」「おばけずき鏡花」として、「一寸怪」「吉原新話」「露萩」「海異記」「雨ばけ」「茸の舞姫」「女仙前記」「幻の絵馬」「夜叉ヶ池」「天守物語」「星の歌舞伎」「白鷺」「眉かくしの霊」「陽炎座」「開扉――妖帖」「高野聖」「黒髪」「註文帳」「春昼後刻」「縷紅…