2006年3月20日に合併予定だった、愛知県知多郡美浜町および南知多町が合併してできる新市の名称候補(合併は破綻)。由来は、中部国際空港(愛称セントレア)の南に位置するから。
2005年1月27日開催の第2回美浜町・南知多町合併協議会で新市名を「南セントレア市」と決定したが、町内外からの反響がかなり大きかったため、第3回美浜町・南知多町合併協議会において再協議の結果、新市名「南セントレア市」は一旦撤回された。
なお、新市名称決定については、2004年12月1日から20日の期間において、全国の小学生以上を対象に公募をしており、334件の応募があり、「南知多市(みなみちたし)」が70件と最多だった。「南セントレア市」は、公募のなかには無い。
関連:南セントレア
公の場で、合併後の新市名についての協議がなされたのはこの時が初。
新市の名称の決定方法を「公募の上、協議会で協議をして決定する」に決定。
実施要項などは次回の会議で協議。
「新市名称候補募集要項」について協議、決定。
これは、公募についての実施要項であり、公募後の協議についての具体的な決定方法についてはこの回も含めこれ以降第1回の(法定)合併協議会が開催されるまで一切話し合われていない。
応募総数334件。
問題点としては、他の公募の件数より非常に少ない(大抵は1000〜2000件)ことと、美浜町からの応募が84件に対し南知多町の応募件数が181件と、両町の応募件数がアンバランスであったことなどがあげられる。
新市の名称について協議。
公募結果で一番多かった名称はだんとつで「南知多市」だったが、委員からはこれを支持する意見はあまり無く、むしろ否定的な意見が出された。
など
そこで事務局から「次回の協議会までに委員一人ずつ公募の候補を含めて3作品を提出して、その中から3分の2以上の得票を得られた作品を新市の名称とする」という提案があり了承され、継続審議となる。つまり、委員が公募の候補に全く出てこなかった名称も勝手に考えて提出してよい、となった。
(新市名称の協議の具体的な運営方法についてはこれまで特に話し合っていなかったので、ここで突然事務局側から「委員の考えた名称も提出する」という案が出てきても、運営上は問題がないと思われる)
最終的には第2回目の協議会のとき、協議会の始めに委員一人ずつずつ公募の候補を含めて3作品を提出して一次選考とし、3分の2以上得票した作品を最終候補とし、最終候補では過半数を得票した作品を新市の名称とする、ということで決定。
委員一人ずつ3作品を1位、2位、3位と順位を付けて投票、1位10点、2位5点、3位1点で計算(前回の「3分の2〜」とかの決議事項がどうなったかは不明)。
1位 「南知多市」 123点
2位 「セントレア市」108点(公募の新市名称候補にはなく、委員が独自に提案した作品)
ただし、「セントレア」を含む他の候補としては「南セントレア市」が15点、「遷都麗空市」が10点を得票したため(以上2作品も公募の新市名称候補にはなく、委員が独自に提案した作品)、「セントレア市」を含めこの三点の作品の合計点数を計算すると133点となり1位の「南知多市」の得票点を越すので、「中部国際空港の南に位置するから」という理由で「南セントレア市」に決定(決定までの経緯の詳細は不明)。
新市名称について、再協議することを決定。
再協議の結果、新市名「南セントレア市」は一旦撤回。
2月27日に行われる合併の是非を問う住民投票の際、新市名も投票で選ぶことに。
新市名は、先に行われた新市名公募の上位11案と「南セントレア市」の計12案を新市名候補とし、この中から選ぶこととなった。
※ 公募上位11案
南知多市(みなみちたし)、美南市(びなんし)、美南市(みなんし)、南浜市(みなみはまし)、知南市(ちなんし)、美南市(みなみし)、美波市(みなみし)、美浜市(みはまし)、知多美浜市(ちたみはまし)、美南海市(みなみし)、南美浜市(みなみはまし)
住民投票は、両町で合併反対が過半数を占め、合併が破綻した。住民投票の投票率は美浜町が72.79%、南知多町が68.87%だった。
同日新市名についてのアンケートも行われたが、住民投票よりも14%少ない回答だった。一位は南知多市で有効投票の半数を占め、南セントレア市は9%にとどまった。
先の住民投票の結果を受け、解散動議があり、可決。
合併は正式に無くなりました。
日経ビジネス(2005.3.21)の「敗軍の将、兵を語る」で、愛知県美浜町長の斉藤宏一氏が合併協議・市名決定などについて語っている。