数日前に、近畿の真ん中の縦長の盆地の北と南の端にあたる吉野と京都を結ぶ丹生の女神のことについて書いたが、今度は、その京都を軸にした東と西の関係について考えてみたい。 吉野三山に鎮座し、蛇神の天津羽羽神を祀る波宝神社の真北に位置する上賀茂神社は、京都を代表する二つの聖山、比叡山と愛宕山を結ぶ東西の同緯度ライン上に鎮座している。 この東西ラインは、東に行けば近江富士の三上山で、西に行けば亀岡の出雲大神宮にいたる。 不思議なことに、この東西ラインには、「御影」という名が深く関係している。 三上山に降臨したのは、鍛冶の神、天御影命であり、比叡山の西麓には御蔭山がある。下鴨神社の祭神である賀茂建角身命は…