中国後漢末期の一部の宦官の集団のこと。『後漢書』に言及されている。
霊帝の代にその寵愛を受け専権を振るった張譲、趙忠、夏ウン(夏惲)、郭勝、孫璋、畢嵐、栗嵩、段珪、高望、張恭、韓悝、宋典の12人の宦官をいう。彼等は中常侍という地位にあり、概数の十の字を当てて十常侍と呼ばれた。
皇帝に近侍するという立場を濫用して賄賂を取ったり、子弟を高官に就けるなど、政治を腐敗させたと評価されている。彼らの招いた政治腐敗が、党錮の禁や黄巾の乱を引き起こし、以後100年前後に及ぶ戦乱の時代(三国時代)の到来するきっかけとなった。
霊帝の没後、少帝(劉弁)の外戚である大将軍の何進と対立し、何進を暗殺したが、その部下の袁紹らの反撃に遭い、ことごとく殺害され、宦官勢力は全滅した。