川端康成論はむかし専門家から研究の水準が全体的に低いと言われて納得していたけれど、確かにすぐに想起される論文が浮かんでこない。ハカセ(近藤裕子さん)が学大の博士課程に入学した後、お手並み拝見のような気持で「雪国」論を拝読したことがあったけど、いかにも緻密な読みに基づいた作品論だったので感心したのは覚えている。「雪国」論といえばヒグラシゼミでドラちゃん(高田知波さん)に講演を頼んだら「雪国」について話してくれた時も、いかにも高田さんらしい先行研究とは異なる視点でのアプローチに感じ入ったこともある。その際にカッちゃん(勝原晴希)にも優れた「雪国」論があるのを知ったけど、川端の専門家であるハカセは別…