六国史
日本書紀始め、日本三代実録まで、奈良・平安時代に編修された六つの官撰国史の総称。
六国史以後、朝廷は国史を撰修することを止めなかったが、戦乱の相次によって伝われなかった。
最初、六国史を継ぐ史料として『新国史』*1を成立したが、戦乱のために焼失された。*2
『東大寺要録』の「雑事章之餘」に、「新記二十巻」とある。前記の『新国史』の巻と合致しないため、同じモノか違うものか知る由もない。
近衛天皇朝、鳥羽上皇の命令によって藤原通憲(信西)が残存の『新国史』と公家の日記*3などの史料を集めて、六国史を継ぐ国史を編纂しようが、通憲が平治の乱(1159年)で死んだため、未定稿に終わったうえ、多くが散逸している。現存しているのは935年〜1153年のうち一部だけ。*4
いま、六国史以後の編纂史料として、『日本紀略』の独自の部分、『本朝世紀』、『扶桑略記』、『吾妻鏡』、『本朝通鑑』、『大日本史』、『日本国史略』、『大日本史料』などがある。