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信越本線

(地理)
しんえつほんせん

JR東日本の路線(幹線)。路線名は「信濃」(長野県)と「越後」(新潟県)から。

概要

分断

信越本線は、群馬県高崎市を起点とし、路線名の通り、長野県を経て新潟県新潟市に至る幹線鉄道だった。ところが1997年10月1日の北陸新幹線(長野新幹線)高崎−長野間の開業に伴い、横川(群馬県安中市)‐篠ノ井(長野市)間の並行在来線は廃止されてしまう。このうち長野県内の軽井沢−篠ノ井間は、第三セクターのしなの鉄道に承継されて現在も営業を続けているが、碓氷峠を越えるJR最急勾配区間として知られた横川‐軽井沢間はバス輸送に転換された。これにより信越本線は、以下の通り群馬側と長野・新潟側、二つの区間に分断されてしまった。

  • 高崎‐横川間 29.7km
  • 篠ノ井‐新潟間 220.6km

ただ、信越本線はこれよりずっと前から分断路線であったともいえる。それというのも、東京と新潟市を結ぶという信越本線本来の役割は、1931年の上越線全通をもって基本的に終焉しているからである。その後は直江津を境に高崎寄りは東京→長野・北陸方面へのルート、新潟寄りは関西と東北を結ぶ日本海縦貫線の一部としての機能を果たしてきた。
前者の機能は現在では新幹線に移った。東京から長野へは北陸新幹線(長野新幹線)、北陸へは上越新幹線+ほくほく線がメインルートである。後者、日本海縦貫の役割には変わりがない。

碓氷峠

中山道における碓氷峠は、東海道における箱根に相当する存在である。険しさでは碓氷峠のほうが勝るという。明治の初めに東京と京都を結ぶ鉄道を建設しようとした際、当初の計画では鉄道は中山道を経由するはずだった。しかし当時の技術では中山道の経由する中部山岳地域、なかんずく碓氷峠への鉄道建設は不可能ということになり、急遽東海道経由に計画が変更されたという経緯がある。
その後、横川・軽井沢両駅まで開通した線路を碓氷峠で連結する工事が始まったのが1891年。日本初のアプト式鉄道として開通したのが1893年である。1912年には幹線で初めての電化が完成した。これは同区間に26個ものトンネルが連続し、最大66.7‰の急勾配を登る蒸気機関車の煙による鉄道職員の窒息などの事故がしばしば発生したことも理由とされる。電化されたとはいえ、連結両数や運転本数に制限のかかるアプト式はその後信越本線の輸送力を増強する際の障害ともなり、これが上越線建設の動機のひとつともなった。
技術の進歩により1963年にはアプト式によらない(粘着式)新線が開通し、アプト式は廃止された。この新線でも専用の補助機関車を用いる方法がとられた。
1997年、北陸新幹線の開業によりこの区間を通過する特急列車が廃止されることとなった。普通列車のみの運転では補助機関車をはじめとする特殊な設備を維持することは採算性から不可能と判断され、北陸新幹線開業前日、1997年9月30日をもって廃線となった。
専用機関車の機関庫だった横川機関区の跡地には、1999年、碓氷峠鉄道文化むらが開場した。粘着運転時代の碓氷峠で終始補機として使用されたEF63型機関車の運転を体験できるほか、廃線区間の一部を活用したトロッコ列車の運転もある。

年表

年月 できごと
1885年10月 高崎−横川間開業
1886年8月 直江津−関山間開業
1888年5月 関山−長野間開業
1888年8月 長野−上田間開業
1888年12月 上田−軽井沢間開業
1893年4月 横川−軽井沢間開業
1897年5月 北越鉄道 春日新田(現・直江津−黒井間)−鉢崎(現・米山)間開業
1897年8月 北越鉄道 鉢崎−柏崎間開業
1897年11月 北越鉄道 柏崎−北条間、沼垂(現在は貨物駅)−一ノ木戸(現・東三条)間開業
1898年6月 北越鉄道 一ノ木戸−長岡間開業
1898年12月 北越鉄道 北条−長岡間開業
1899年9月 北越鉄道 直江津−春日新田間開業
1904年5月 北越鉄道 沼垂−新潟(旧)間開業
1907年8月 北越鉄道を国有化
1912年5月 横川−軽井沢間電化
1931年9月 上越線全通
1947年10月 宮内−長岡間電化
1952年6月 長岡−新潟間電化
1952年7月 高崎−横川間電化
1958年4月 新潟付近のルートを変更、現在地に新潟駅開業
1963年6月 軽井沢−長野間電化
1963年7月 横川−軽井沢間のアプト式廃止
1966年8月 長野−直江津間電化
1969年8月 直江津−宮内間電化
1982年11月 上越新幹線大宮−新潟間開業
1997年10月 横川−篠ノ井間廃止。横川−軽井沢間は104年の歴史を閉じ、軽井沢−篠ノ井はしなの鉄道引継ぎへ
1997年10月 軽井沢−篠ノ井間をしなの鉄道に移管
北陸新幹線(長野新幹線)高崎−長野間開業
2004年10月 新潟県中越地震により主に新潟県内の区間で被害
2007年07月 新潟県中越沖地震により、主に新潟県内の区間で被害。青海川付近は土砂埋没となる長期被害が発生。

駅・快速停車駅と接続路線

高崎‐横川

駅名 よみ
“えき”は略
所在市町村 接続路線
高崎駅 たかさき 群馬県高崎市 上越新幹線長野新幹線
JR高崎線両毛線上越線吾妻線八高線
上信電鉄
北高崎駅 きたたかさき 群馬県高崎市   -
群馬八幡駅 ぐんまやわた 群馬県高崎市   -
安中駅 あんなか 群馬県安中市   -
磯部駅 いそべ 群馬県安中市   -
松井田駅 まついだ 群馬県安中市   -
西松井田駅 にしまついだ 群馬県安中市   -
横川駅 よこかわ 群馬県安中市   -

(篠ノ井‐)長野‐新潟

※篠ノ井‐長野間には、信越本線長野以北と直通する列車は平日朝の1本しか乗り入れない。ただし旧信越本線であるしなの鉄道へ直通する列車は多数設定されている。この区間の駅・接続路線については篠ノ井線を参照。

駅名 よみ
“えき”は略
所在市町村



接続路線
篠ノ井駅 しののい 長野県長野市      
       
長野駅 ながの 長野県長野市   長野新幹線
JR篠ノ井線
しなの鉄道線・長野電鉄長野線
北長野 きたながの 長野県長野市   長野電鉄長野線信濃吉田駅)
三才駅 さんさい 長野県長野市     -
豊野 とよの 長野県長野市   JR飯山線
牟礼 むれ 長野県上水内郡飯綱町     -
古間 ふるま 長野県上水内郡信濃町     -
黒姫駅 くろひめ 長野県上水内郡信濃町     -
妙高高原駅 みょうこうこうげん 新潟県妙高市     -
関山 せきやま 新潟県妙高市     -
二本木 にほんぎ 新潟県上越市中郷区     -
新井駅 あらい 新潟県妙高市   -
北新井 きたあらい 新潟県妙高市   -
脇野田 わきのだ 新潟県上越市   -
南高田 みなみたかだ 新潟県上越市   -
高田駅 たかだ 新潟県上越市   -
春日山 かすがやま 新潟県上越市   -
直江津駅 なおえつ 新潟県上越市 JR北陸本線
黒井駅 くろい 新潟県上越市     -
犀潟 さいがた 新潟県上越市大潟区   北越急行ほくほく線
土底浜 どそこはま 新潟県上越市大潟区     -
潟町 かたまち 新潟県上越市大潟区     -
上下浜 じょうげはま 新潟県上越市柿崎区     -
柿崎 かきざき 新潟県上越市柿崎区     -
米山 よねやま 新潟県柏崎市     -
笠島 かさしま 新潟県柏崎市     -
青海川 おうみがわ 新潟県柏崎市     -
鯨波 くじらなみ 新潟県柏崎市     -
柏崎駅 かしわざき 新潟県柏崎市   JR越後線
茨目 いばらめ 新潟県柏崎市     -
安田 やすだ 新潟県柏崎市     -
北条 きたじょう 新潟県柏崎市     -
越後広田 えちごひろた 新潟県柏崎市     -
長鳥 ながとり 新潟県柏崎市     -
塚山 つかやま 新潟県長岡市     -
越後岩塚 えちごいわつか 新潟県長岡市     -
来迎寺 らいこうじ 新潟県長岡市     -
前川 まえかわ 新潟県長岡市     -
宮内駅 みやうち 新潟県長岡市   JR上越線
長岡駅 ながおか 新潟県長岡市   上越新幹線
北長岡 きたながおか 新潟県長岡市     -
押切 おしきり 新潟県長岡市     -
見附 みつけ 新潟県見附市     -
帯織 おびおり 新潟県三条市     -
東光寺 とうこうじ 新潟県三条市     -
三条駅 さんじょう 新潟県三条市     -
東三条駅 ひがしさんじょう 新潟県三条市   JR弥彦線
保内駅 ほない 新潟県三条市     -
加茂駅 かも 新潟県加茂市     -
羽生田 はにゅうだ 新潟県南蒲原郡田上町     -
田上 たがみ 新潟県南蒲原郡田上町     -
矢代田 やしろだ 新潟県新潟市     -
古津 ふるつ 新潟県新潟市     -
新津駅 にいつ 新潟県新潟市   JR羽越線磐越西線
さつき野 さつきの 新潟県新潟市     -
荻川 おぎかわ 新潟県新潟市     -
亀田 かめだ 新潟県新潟市     -
越後石山 えちごいしやま 新潟県新潟市     -
新潟駅 にいがた 新潟県新潟市   上越新幹線
JR越後線白新線
凡例
快速1
快速「妙高
快速2
快速「くびき野
すべて停車
一部が停車
すべて通過

主な列車

普通・快速「妙高」(長野−直江津)
長野行きの妙高2号のみ快速。他は普通列車である。189系を特急「あさま」色のまま使用。指定席車両1両連結。
快速「くびき野」(新井−新潟)
特急みのり廃止に伴い新設された。新井寄り先頭1両が指定席車両。485系1000・1500・3000番台使用。

いずれも一部を除いて乗車券のみで乗車可能。

リスト::鉄道路線

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