三浦雅士氏『身体の零度―何が近代を成立させたか』ー令和三年七月三十一日(土)酷暑 「古代文化のなかでは、競技がつねに神に捧げられた祝祭の一部をなし、幸をもたらす神聖な儀礼として、不可欠なものとされていた。この祭祀との関連が、現代のスポーツではすっかり失われてしまった。スポーツは完全に奉献性なきものと化し、また、たとえ政府権力によってその実施が指示された場合でさえも、もう何ら社会の構造と有機的な繋がりをもたないものになってしまった。それはなにか実りを生む共同社会の精神の一因子というより、むしろただ闘技的本能だけの、孤立的な表れなのだ。」(ホイジンガ『ホモ・ルーデンス』中公文庫プレミアム、457頁…