叢書 文化の現在 10 書物世界の隠喩作者:大江健三郎,中村雄二郎,山口昌男岩波書店Amazon承前*1佐藤信夫「隠喩と諷喩の書物」(in 『叢書 文化の現在10 書物―世界の隠喩』岩波書店、pp.91-137、1981) 「諷喩」の動機について語られる。 こんにちの星空にはなぜ大熊座、小熊座、オリオン座などばかりが描かれているのか。それらの布置を部分的にあるいは全面的に再編成して、因幡の白うさぎ座や桃太郎座などを投影してもいいいはずだ……と思いついたとき、夜空を眺めていた少年は新しい諷喩を書きはじめるだろう。多くの書物はそれぞれに新型プラネタリウムの試作であった。 そして、一見無造作に星をば…