1949年生まれ。奈良県出身。 京都大学大学院人間・環境学研究科教授。社会思想、政治思想に関する著述が多い。 西部邁が主幹の月刊誌『発言者』編集長を2005年4月廃刊号まで務める。『表現者』顧問。 1985年に『隠された思考―市場経済のメタフィジックス』ISBN:4480080503芸賞思想・歴史部門受賞。
《彼等〔=ユダヤ〕はこの3つの媚藥〔=スポーツ・セックス・スクリーン〕を、攻略せんとする國民の眼の前へ突き出しておいて、それに夢中にさせる。この夢中になるといふことは、その裏でこつそりと行ふ彼等の陰謀を氣づかせないことにもなる。またこの媚薬のために國民性を堕落させることも出來る。更に國民が夢中になることに依つて、莫大な金が彼等の懷へ入つても來るのである》(神田計三『覆面の敵 ユダの挑戦』(六合書院):国立国会図書館デジタルコレクション、p. 324) 今では「映画」は「テレビ」に取って代わられたが、「3S政策」は今なお健在である。大衆は、テレビを見ることによって骨抜きにされてしまっている。最近…
今回は、周回遅れではあるが、「ジャニーズ問題」を取り上げる。今更ながらこの問題を取り上げるのは、佐伯啓思氏のコラムを目にしたのが切っ掛けだ。 そもそもの問題は、故ジャニー喜多川氏によるジャニーズ事務所所属タレントへの「性的加害」である。が、ジャニー氏が亡くなってからこれが問題となったのは何とも味が悪い。勿論、生前このようなことを告発しても、もみ消されるのが落ちであろうし、少なくとも芸能界に居られなくなってしまうであろうから、普通は躊躇(ちゅうちょ)するに違いない。が、相手が死亡し反論できない状態になって、一方的で検証不能な意見を述べるのは、潔くないと言われても仕方がない。 もともとジャニー氏に…
進むべき道が見えなくなった 佐伯啓思さんが考える日本の現在地:朝日新聞デジタル いきなり山本七平氏が「日本人とユダヤ人」の著者と書いてあっておっとおもったりしましたが、まあそれはもう当たり前の知識なんでしょうかね。 ということで、内容ですが、かっこをつけて「神」と書かれていますが、たしかに西洋の神は定義されてその信仰は告白されて初めてそのひとの神ということが公にも認められるという仕組みであります。しかし、日本の明治、大正、昭和天皇はそういった神学的な定義はなく、ただ、万世一系とか天皇の赤子とかそういった言い方で国民との関係を”信じて”いたのでしょう。ちなみにそのツールの中には”教育勅語”もあっ…
1年前の朝日新聞のオピニオン記事だけど読み返しても面白い。 ①佐伯啓思は ②「資本主義」は否定的な語 ③「資本主義」は「市場経済」とは違い資本の自己増殖運動 ④しかしフロンティアは限界 ⑤問題は近代人の欲望 ⑥参考 ①佐伯啓思は 保守派の思想家と言われるが、単に知識の多い学者というより、左右の知識を元に自分自身の意見を語る感じで、納得できない主張も多いが、視点を発見できるのは楽しい。 例えば、トランプ・プーチン・エルドアンなどの権威主義的政権の登場を「民主主義への脅威というより、民主主義が効きすぎている」などと言う。 この場合の「民主主義」は、自由な市民による議論という自由主義的な意味では無く…
陰暦八月初二。早朝より雨(32.5mm)。気温摂氏19.7/24.6度。夕方に雨が歇み晴。晩七時半すぎにドン!と花火の音がして(陋宅からは見えないが)千波湖の方で8月の終はりの花火かと思つたが音が何だか違ふ方角からで水戸消防署の花火打上げ情報を見たら那珂川の河川敷(渡里)だといふ。その方角なら!と西北向きの風呂場の窓から崖下の那珂川の上流を見たら確かに花火がいくつも続けて上がる。株式会社東武架設なる建築関連会社の社員家族や関係者集めての夏祭り(TOBU納涼祭)の由。消防署の花火情報には他にも結婚式場での披露宴での花火打上げとかも記載あり。 出先で放置プレイの結果ずいぶんと弱つてゐたハイビスカス…
www.asahi.comをよみました。 佐伯さんの論説で違和感があったのが、容疑者が安倍氏をねらったことのつながりはないということをいっていたことです。佐伯氏の論調で言えば、おそらく保守とはどちらかというと容疑者にとっては、日本という国の中でマイノリティとして攻撃的な活動をしている統一教会(協会)から自分たちを守ってくれるものであったのではないでしょうか。それがはっきりと違うことがわかったことで、例えば新聞に投書するなどということをやってもおそらくは何も変わらないという絶望からあのような行動にでたということではないでしょうか。そうするとそこには論理的なつながりがあって、決して説明がつかないこ…
[ BooksChannel 厳選本 : 評論家 思想家 | 2021年08月19日号 | 中野剛志 編 Part2 | 2008年~2022年 共著: 編著: 共訳書: 監修: 解説: 論文 | 自由貿易という幻想 危機の思想 反動世代 まともな日本再生会議 ブラック・デモクラシー 民主主義の罠 国家のツジツマ 他 | #西部邁 #佐藤建志 #藤井聡 #適菜収 柴山桂太 エマニュエル・トッド 佐伯啓思 施光恒 他 他 | 中野剛志 評論家 1971年生まれ。元・京都大学工学研究科大学院准教授。専門は政治経済思想。96年に東京大学教養学部(国際関係論)を卒業、通商産業省(現・経済産業省)に入省…
今日買った本 ー佐伯啓思氏『経済学の方法』& 布袋バンドスコア&『富岡鉄斎 大田垣蓮月』令和4年8月7日(日)酷暑 月一のお出かけでした。 今日買った本 『富岡鉄斎 大田垣蓮月』(新学社、2007年) 近代浪漫派文庫。保田與重郎の文庫本シリーズが出ている出版社といえば分かるだろうか。「大東亜戦争詩文集」や「山田孝雄/新村出」などは持っているが、在庫がなくならないうちに購入しておいた。 鉄斎は水墨画の達人であり、蓮月は幕末に勤王の志士らと交流があった歌人である。 『TOMOYASU HOTEI SUPER BEST 1982-1990』(DOREMI、2020年) ドレミ楽譜出版社の布袋寅泰のバ…
一条真也です。『さらば、欲望』佐伯啓思著(幻冬舎新書)を読みました。「資本主義の隘路をどう脱出するか」というサブタイトルがついています。日本を代表する社会経済学者で思想家でもある著者は、1949年奈良県生まれ。京都大学名誉教授。東京大学経済学部卒。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得。2007年正論大賞。ブログ『反・幸福論』、ブログ『死と生』で紹介した本をはじめ、『隠された思考』(サントリー学芸賞)、『日本の宿命』、『正義の偽装』、『西田幾多郎』、『さらば、資本主義』、『反・民主主義論』、『経済成長主義への訣別』などの多くの著書があります。 本書の帯 本書の帯には「絶望から始めよ。」と大…
気温摂氏23.8/35.9度。快晴酷暑。朝イチでМ先生の娘さんから電話あり。弔花がもう花店から届いたさう。明日がお葬式でご遺体は病院の慰安室にあるのか、これから丁度出向くので枕元にお花を据ゑてくれる、と。花店さんのお届けが朝早くだつたのがありがたい。新聞で訃報を見た教へ子からお弔ひがいくつもあつてご遺族もМ先生がもう小学校教諭の現役引退して40年近いのにと喜んでをられた。 一昨年に廃業した老舗の和菓子屋は立派な店構へがそのまゝになつてゐるが店先に錆びたワゴンに「御自由にお持ち帰り下さい!」と使ひ古した毛布やタオルケットなど山積み。どこの家にも余つてゐるやうな寝具で災害時とかならまだしも持ち帰る…
#福沢諭吉 #修身要領 #教育勅語 #荒俣宏 https://t.co/9iChr06Q5b https://t.co/cM9tcTXUrk↑福沢諭吉は「教育勅語」に批判的だった!このことはもっと知られて良い。— 三丁目の書生(20世紀少年少女SFクラブ) (@aryamashoukai) 2024年4月13日 福沢諭吉の「偉さ」、荒俣宏さんが探る 甲子園Vにつながる痩せ我慢 https://www.asahi.com/articles/ASS2955PHS26UCVL019.html福沢諭吉、偉大さの源は 1万円札の肖像40年 評伝小説出版の荒俣宏さんに聞く https://www.asah…
今日は町立図書館に行って、3月24日(日)から30日(土)までの朝日新聞一面コラム「折々のことば」を、まとめ読みしてきました。一緒に行った孫娘は、今度入学する中学校から出された宿題に取り組んでいました。苦手な算数です。 この一週間で印象に残ったのは、二つの「ことば」でした。先ずその前に、3月30日(土)の同紙オピニオン欄に、佐伯啓思・京大名誉教授が、「トランプ現象と民主主義~論争に興じるより、真理に近づく「哲学」に敬意を」という論評を寄稿されていて、そこには次のようなことが書かれていました。 『‥‥ところで、トランプを日本語で文字順を変えればプラトンになるからというわけではないが、 皮肉な言い…
新パラダイム はじめに 従来のパラダイムでは、地球温暖化や反グローバル主義に関する問題は、主に経済成長や国家間の競争、資源の利用といった枠組みで捉えられてきました。経済発展を優先し、その過程で生じる環境問題や社会的な不平等は、後回しにされることが多かったのです。 しかし、近年の動向や科学の進歩により、この従来のパラダイムが問題を解決するには不十分であることが明らかになっています。地球温暖化や環境変動は、単なる経済の成長だけでは解決できない複雑な問題であり、地球規模での協力と包括的なアプローチが必要です。また、反グローバル主義の台頭は、従来の国家中心のアプローチが限界に達していることを示していま…
教養の 尺度は寛容さだと 母は言う てれんぱれん 2024.3.13 美輪明宏 どこの扉を叩いても開かない悪い時期っていうのは外へ向かおうとしてもドアが開かないから、じゃあどうすればいいのか、内に向かえっていう指令なんです。美・知識・教養・技術、そういう自分の財産を増やしておきなさい サミュエル・ジョンソン 感謝の念は教養の結実である 鷲田清一 教養とは『何が大事で何が大事でないか』という価値判断、『絶対いる』『あったらいい』『端的になくていい』『絶対あってはならない』というのを即断せずに持続させるのに必要な『知性の体力』である レフ・トルストイ 人は、より賢明に優しくなるにつれ、他者への寛容…
中学3年からのお付き合いです。 元々、英語は苦手科目だったそうですが、今ではすっかり定期テストの得点源になりました。定期テスト対策は、ほとんどお任せしているくらいです。 文法はかなり高度なレベルまでおさえているので、後は《精読の高速化》を積み上げていくだけです。 現代文の指導 さて、今回の指導では、佐伯啓思『アメリカニズムの終焉』を読みました。 佐伯啓思の文章は、一時期は入試でよく出題されました。評論文は《近代》を問題視することが多いですから、背景知識を立体化していくことが重要です。そのためには、キーワード読解を暗記して終わっていてはいけません。筆者と問題意識を共有しながら、その用語を使いこな…
1月末、新型コロナウイルス感染症にかかるなどして、地獄でした。 先月の。 2023年12月に読んだ本と近況 - 宇宙、日本、練馬
今月25日の愛媛新聞に、佐伯啓思・京大名誉教授が、「自民党が国民政党なら日本の針路提示必要」という論評を寄稿されていて、そこには次のようなことが書かれていました。少々長くなりますが引用させていただきます。 『‥‥いま述べたように、自民党には二つの立場があり、自由党の系譜は、 戦後憲法の平和主義のもとで、経済発展、福祉充実を重視する。 一方、日本民主党の系譜は、憲法改正も視野に入れ、国家としての日本の自立を目指す。 前者はいくぶんリベラルなハト派に傾き、 後者は経済のみならず国防や教育にも関心をもつタカ派へと傾いた。 自民党とは面白い政党で、これらを両翼に配し、党としては、その混合体として、 憲…
明治十年代半ば、自由民権運動は、すっかり時代の「流行り物」と化していた。 大阪あたりの抜け目のない商人(あきんど)が、「自由餅」だの「改新まんじゅう」だの何だのと、既存の品に耳触りのいい単語をさかんに焼き印し、たったそれだけの工夫であるにも拘らず、従来とは比較にならない、素ん晴らしい売れ行きを成就したのは、べつにいい。 後年早稲田の門前で「ホラせんべい」というのを売って――言うまでもなく校租大隈重信の大風呂敷を揶揄ったものだ――、まんまと地元の名物になりおおせたのと一般で、商法としてはむしろ王道に近いゆえ。 (viprpg『ライチエクスチェンジ』より) だがしかし、新生児の命名に「自由太郎」や…
昨日、NHKで放映された「映像の世紀バタフライエフェクト」の「ビートルズとロックの革命」は、「ビートルズが世界をどう変えたか」を詳細に伝える、とても秀逸な内容でした。番組の中では、ジョン・レノンの、その死の五年前の、次のような発言が強く印象に残りました。 『‥‥60年代は“新しい世界を発見しに行く船”だった。 そしてビートルズはその船の見張り台に立っていただけだ。 僕たちは「Land Ho!」おーい陸地だぞ!と叫んだ。それだけだ。 僕たちが何に貢献して何に貢献しなかったか、僕にはわからない。 人それぞれビートルズから受けた影響の度合いは違うだろうしね。 言えるのは、僕たちの世代が全員で60年代…
題名は副題込みで正確に表記すると 『反資本主義が日本を滅ぼす 官民癒着の毒、社会主義の嘘』 表紙、背表紙、帯ともに、反資本主義という部分が赤字です。 前回紹介したN・フレイザーの著書とは真逆の、資本主義を正面から擁護する本。これはこれで異論もありますが、フレイザー著よりはフェアであり、何回かに分けて論じるに値します。 帯には「無知蒙昧な経済論議、言論人を撃つ!」と称して、批判対象がずらりと(こちらは青字で)。 ※ ピケティ 斎藤幸平 中谷巌 佐伯啓思 佐藤優 池上彰 内田樹 白井聡 中野剛志 三橋貴明 MMT 『資本論』礼賛 新型コロナと私権制限 ※ 当ブログが批判してきた対象と重なる名前もあ…
木村貴氏の『資本論』批判を先ほどネット上で見つけたばかりですが、腑に落ちたので検索したところ、単著がありました。 「ピケティ、斎藤幸平、中谷巌、佐伯啓思、佐藤優、池上彰、内田樹、白井聡、中野剛志、三橋貴明…各氏の主張を徹底検証」とのこと。木村氏とは気が合いそうです。 レビューには「オーストリア学派の信奉者」だとのご意見もあり、批判的な評価もありました。一八七〇年代のメンガーらオーストリア学派より新しい経済学もあることは私も承知していますが、新しいからいいってものでもないので。もちろん古いからいいってものでもありません。マルクスを批判する意義は、今でも十分にあると思います。
ミニマリスト(とは最近言えないくらい荷物が増えた)生活してたせいもあって、欲が人より少ないのかも、、と思います。「おしゃれな服着たい」とか「イケメンにモテたい」とか「お金たくさん欲しい」とかちょっとした(?)欲はあるような気はするんですけど。多少何かが欲しいとか、こうだったらいいな、というようなことがぽっと浮かんだり、昔やりたかったことが「あれ、本当にこれしたいんだっけ?」と思ったり。自分の欲と向かい合ってみると意外と昔の感覚をアップデートしたら欲しかったと思い込んでたけどそうでもなかったこととかが多い。 欲望の鏡 posted with ヨメレバ リーヴ・ストロームクヴィスト/よこの なな …
癸卯年八月十六日。気温摂氏21.4/27.9度。晴。 AppleでOSが17世代となつた。最近の更新では大した改良もなかつたが今回はかなりデザインも洗練されて使ひ易くなつた。 何より嬉しいのはiPadで自分で選択できなかつたロックスクリーンの時刻表示のデザインとかが弄られるやうになつたこと(iPhoneではカスタマイズできてゐた)。時刻表示が写真の裏に隠れるなんてステキだ。 テレビで吉永小百合が茨城の観光PRのCMに出てゐるといふ話を聞いたら、これ↑だつた。昨日届いた大人の休日倶楽部(JR東日本)の会報(10月号)でも特集が「茨城県」で「大地の成り立ちや徳川家の街づくりを学ぶ」だつた。これも茨…