作家。
1907年生まれ。北海道出身。1930年、九州帝国大学法文学部入学。1932年、京都帝国大学入学。1936年、毎日新聞社入社。1949年、「闘牛」により芥川賞受賞。1991年、死去。
代表作に、『天平の甍』『あすなろ物語』『敦煌』『蒼き狼』『おろしや国酔夢譚』『孔子』など。
少し前に井上靖の「しろばんば」を読み返したこともあり(その記事は下にリンク)、その小説の舞台となった湯ヶ島というところに興味を持った。温泉地であり、井上靖が幼少のころを過ごしたところであり、また川端康成の伊豆の踊子の舞台でもある。そんな場所なので、聖地巡礼ではないが、温泉旅行を兼ねて行ってみることにしたのだ。 目次 場所 小説「しろばんば」の舞台 場所 湯ヶ島は伊豆半島の真ん中に位置している。私は車で行ったのだが、東名から伊豆縦貫道を通っていくと便利だ。電車で行く場合には、三島から修善寺まで伊豆箱根鉄道で行き、そこからバスで湯ヶ島へ向かうことができる。また、東京駅から踊り子号に乗って修善寺まで…
小学校6年のときに初めて読んだ「しろばんば」を、何十年か振りにあらためて買って読んでみた。この小説は、本嫌いだった子供の私が初めて熱中して読んだ本だった。そのころNHKでは少年ドラマシリーズという子供向けのドラマが放映されていたのだが、その枠で「しろばんば」がドラマ化されていた。それを見て子供心に面白かったのだと思う。本屋に行き、文庫本になっていた「しろばんば」を買って読み始めたのだ。それまで全く本には興味を示さなかったが、なぜかこの本を読み始めると夢中となった。本は面白い、ということを教えてくれたのがこの本だった。 子供の時に読んだ内容についての記憶はほとんどないが、再読してあらためて面白か…
平日朝に Twitterでお届けしている「#心に響く言葉」 ここでは、月~金5日分をまとめたものをアーカイブしています 偉人たちの言葉とともに、ユウキタカヒロ個人の感想や教訓としてその言葉に触れて感じたこと、思ったこと、活かしたいことなどを記しています。 2023.8.14 井上 靖 |小説家 2023.8.15 マハトマ・ガンジー |宗教家・政治指導者 2023.8.16 スティーブ・ジョブズ |起業家 2023.8.17 ピタゴラス |数学者 2023.8.18 湯川 秀樹 |物理学者 2023.8.14 井上 靖 |小説家 ― つい他責にしていないか? たとえ今うまくいっていなくても、前…
暑い。 とだけ書かれた文字を見て、どれだけ暑さを感じることができるだろうか。暑さの程を伝えたくていろんな形容で表現することもあるだろう。例えば、うだるような暑さ、肌がじりじり焼けそう、汗でべたべた、まるでサウナ、火がつくかと思うほど…等々。或いは「暑い」を連呼する回数で表現する人もいそうだ。 でも、「真夏の丑三つ刻(うしみつどき)」ほど暑さを上手く表現した言葉を私は知らない。中学の国語の授業で知った。「草木も眠る丑三つ刻」とは、木や草までもが眠りに入った夜(午前2時過ぎ)の静けさを表現した言葉だ。それを、何もかもが暑さに焼け死んでぴくりとも動けない夏の真昼に当てはめたのが「真夏の丑三つ刻」らし…
1953年(昭28)1月~12月 雑誌「婦人生活」連載。 1954年(昭29)講談社刊。 井上靖を読むのは何十年ぶりかになる。地方都市の裕福な医者の家に育ったヒロインの紀代子は京都の叔母の許に寄宿して、何か仕事を見つけて働こうとするが、生活に追われる境遇でもない。郷里に残った幼馴染の文学青年と、京都で知り合った遠縁の学究肌の青年と、偶然出会った人当たりのいい中年の彫刻家との三人との関係を通しながら自分にとっての真の愛情とは何なのかを考え続ける。 異様に思えるのは、彼女が驚くほど積極的に、ある意味では無防備にも彫刻家の男の誘いに応じ、名所見学と食事を共にすることで、しかもその機会を自分から追い求…
西暦1783年1月(天明2年12月)、伊勢白子(現在の三重県鈴鹿市)の船頭、大黒屋光太夫は、紀州藩の囲米を江戸へ運ぶべく十六名の乗組員とともに神昌丸で白子の浦から出航したが、駿河沖で暴風に遭い航路を外れ、舵を折られたため操船できないまま約八ヵ月間の漂流の後、アリューシャン(アレウト)列島の一つアムチトカ島へ漂着した。 ここで四年の年月を過ごした後、カムチャツカへと海を渡り、さらにそこからオホーツク、ヤクーツク、イルクーツクへと移され、その地で知り合った博物学者キリル・ラクスマンの助言と助力により、女帝エカチェリーナ二世に帰国を嘆願すべく冬のタイガを横断してモスクワ、ペテルブルクへ至り、謁見が叶…
先日ふと「巽辰吉(たつみたつきち)」という名前が思い浮かびました。 ”たつ”が重複するためか、なぜか印象に残る名前です。 高校の現代文の教科書に登場した人物であることは覚えていましたが、その物語の内容も、誰が書いた文章なのかも全く覚えていませんでした。 現代文の教師が「巽辰吉は・・・」と力強く発していた言葉だけ、記憶の奥底からひっぱり出すことができました。 この本を読んでいたらなんと巽辰吉に再会しました。 井上靖さんの作品だったのです。 そうか、そんな内容だったのか。 井上靖さんの作品はどれもとても魅力的で定期的に読みたくなります。 その理由の一つが随筆「光陰矢の如し」にあるかと思います。 人…
後白河院井上靖新潮文庫昭和50年9月30日 発行平成19年8月1日 31刷改版令和元年12月20日 38刷 図書館で、新着本の棚で目に入ったので借りてみた。やはり、図書館の本でも新しい本は、気持ちい・・・。 井上靖の歴史小説。今年の本のテーマの一つに、歴史、とおもっているので、借りてみた。 本の裏の説明には、”朝廷・公卿・武門が入り乱れる覇権争いが苛烈を極めた激動の平安末期。千変万化の政治状況において、常に老獪に立ち回ったのが源頼朝に「日本国第一の大天狗」と評された後白河院であった。保元・平治の乱、鹿ヶ谷事件、源平の争乱、平家滅亡・・・・。その時、院は何をどう思いどう行動したのか。側近たちの証…
「知の泉」たる図書館あるいは埃を被った我が書棚。ゆっくりと利用し再び手に取ってみよう。捜している何かが、素敵な言葉が表現が、見つかるかもしれない。さて今日は… ●「しろばんば」井上靖著 新潮文庫 昭和40年 中学生の頃に読んだ「井上靖」の自伝的諸小説といわれる「しろばんば」を再び読んでみようと思ったのは入院生活の手慰みだった。 初めて読んだのは小学生だった。この本は分厚く読むのに時間がかかったと記憶している。狩野川、安倍川、大井川。地理がすでに大好きだった自分には主人公とばあやの汽車旅の描写とそこで出てくる川の名前と見知らぬ風景に興味があった程度だった。むしろ高校生の頃に手にした続編ともいえる…
大切なものを見失う日本 大切なものを見失う日本 不道徳は秩序を破壊する 人が成長することは望ましい。生まれて大人になるまで、赤ちゃんの思考のままということはない。この間には「育み」があり、その土地や親や周囲の考え、触れる情報によって人格が形成されていく。この意味するところは、人が十人十色で不確実な存在であり、これは生まれた時から免れない厳然たる事実であること。家族でさえ考え方が違うことは多々ある。みんなバラバラでは国家も集団も成り立たず、故にルール等を設えて社会をスムーズにさせるため秩序等を作りまとまる。もし、人類みな物分かりの良い者ばかりであるなら、このルールやお金さえ不要なのかもしれない。…
夙川の櫻 夙川の桜は、その両岸に香櫨園浜から苦楽園口北まで、約1660本植わっています。昭和24年当時の西宮市長辰馬氏が、戦後の荒廃した世相を和らげるべく発案したとのことです。桜は7種類で、その中に自然交配種の西宮権現平桜と夙川舞櫻も入っています。 【表六句】 1, 発句(春) 夙櫻愛でる文人学者多々 葉有露 文人では、丹羽文雄・井上靖・谷崎潤一郎・野坂昭如・小松左京・小田実ら、学者では湯川秀樹・伏見康治・五百旗頭眞、俳人もいます山口誓子。 2, 脇(春) 九分九厘 3, 第三(春) 龍峰 4, 四句目 葉有露 5, 五句目 九分九厘 6,折端 葉有露
相次ぎ閉店の書店、地域にどう残す 群馬県内の空白区は10自治体に 生き残り策工夫も | 上毛新聞社のニュースサイト https://www.jomo-news.co.jp/articles/-/437608 「書店で本を売る」という仕事は続けられるのか…42歳で独立した男性が選んだ「本まみれの生活」のリアル いま東京・荻窪で新刊書店を経営するということ | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン) https://president.jp/articles/-/79695 「書店の明かりを消したくない」 人口4000人の“書店なき町”で 「本と人をつなぐ場」に託す未来 | B…
呉座勇一著「戦国武将、虚像と実像」角川新書刊を読み終えた。 著者は日本中世史が専門の気鋭の歴史家でその著作「応仁の乱」はこの分野では珍しいベストセラーとなった。 著者は「はじめに」でこの本の主題を『「大衆的歴史観」の変遷を追い、日本人の自画像の変遷を明らかにする』と記している。 世間一般の人が抱く歴史認識「大衆的歴史観」は専ら歴史小説や時代劇(江戸時代は講談や歌舞伎)によって形成されて来たとして、最もポピュラーな戦国時代の武将を例にしてその変遷や誤解(実際はどういう人物だったのか)、その影響などを論じたものでありその対象7人そのと課題は以下の通り、 明智光秀、(常識人だったのか?) 斎藤道三、…
大国の漢と匈奴とにはさまれた弱小国楼蘭は,匈奴の劫掠から逃れるために住み慣れたロブ湖畔の城邑から新しい都城に移り,漢の庇護下に入った.新しい国家は鄯善と呼ばれたが,人々は自分たちの故地を忘れたことはなかった.それから数百年を経て,若い武将が祖先の地を奪回しようと計ったが……西域の一オアシス国家の苛烈な運命を描く表題作など,歴史作品を中心に12編を収録――. 前漢代,紀元前二世紀以前からタリム盆地東端,ロプノール湖の北方に存在した「楼蘭」は,シルクロードの要衝として繁栄したオアシス都市国家であった.前176年頃に匈奴に降ったが,匈奴・漢両国の支配下に置かれる地ともなり,後漢,ヤルカンドの干渉を受…
本を読んで学んだ言葉などを、部下や後輩に学んだことを教えたくなるものです。ただし、知識をひけらかしても部下の心は打ちません、伝わりません。指導力を発揮できません、ご注意ください。 むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに!(井上靖) むずかしい言葉を使いたがる管理者 たくさんの本を読み、熱心に学んだ管理者に多く見られます。でも、それは単なる自己満足、豊富な知識や語彙力を自慢しているだけです。 コミュニケーションの目的は、相手に理解してもらうこと! 名言や故事もいいですが、相手の…
六十干支のひとつ「乙卯」について解説していきます。
2014年7月25日第1刷 世界を駆け抜けた疾風怒濤の79年、未完の指揮者人生を爽やかに振り返る。 ・昭和10年9月1日、旧満州生まれ。歯医者だった父が満州事件をきっかけに政治活動にのめり込み、石原莞爾さんと板垣征四郎さんに目をかけられ、1字ずつもらって「征爾」と名付けられた。小学校4年のとき、初めてピアノに触れた。担任の先生はピアノが出来る人だった。中2からピアノを練習するようになった。バッハの練習をやらされた。ラグビーに夢中になり、指を折る等の大けがをしてピアノが出来なくなると、指揮者という職業があることを教わった。母の親戚に斉藤秀雄がいた。その弟子に基本を教わり、月2回程先生に教わった。…
2024年更新 長泉町の駿河平自然公園で3月23日(土) にさくらフェスタin長泉2024開催予定 遊びと文化交流の祭典 さくらフェスタin長泉の駐車場などの基本情報 地図 近隣からのアクセスと駐車場 公式情報 長泉町の駿河平自然公園で3月26日(土) に開催予定のさくらフェスタin長泉は中止 夜桜のライトアップは開催予定 4月3日(土)に長泉町の駿河平自然公園で開催予定のさくらフェスタin長泉 -遊びと交流の祭典-は新型コロナウイルス災禍により中止です さくらフェスタin長泉の開催時期について 4月4日(土)に長泉町の駿河平自然公園で開催予定のさくらフェスタin長泉2020は中止です ※追記…
札幌【占い.口コミ.当る.2024年】北大前、夢占館(ゆめせんかん)の石原聖山(いしはらせいざん)『北区の占いの父』が貴方の【2024年!!干支「甲辰(きのえ・たつ)」】を的確に占う!2024年3月11日(月) 札幌北区の占いの父ー 夢占館(ゆめせんかん)の石原聖山が貴方の 『2024年!!干支「甲辰(きのえ・たつ)」』 を的確に占う!占い歴25年、お悩み相談人生アドバイザー 『占い&お悩み相談BOX夢占館(ゆめせんかん)』 ー石原聖山の元気が出る世界の名言,格言をあなたに・・・2024年3月11日(月) 2024年は『愛』『夢』『希望』『平和』に満ち溢れる一年でありますようにお祈り致します。…
「みんなで早押しクイズ」フリーマッチで作問したクイズの記録です。2024年3月10日夜22時に「時事問題 2024年2月18日〜2024年3月9日」として出題した全20問です。 スポンサードリンク // 注1:問題・解答・解説は、追記など無い場合、基本的に2024年3月10日夜22時時点のものです。特に時事は刻一刻と状況が変化するのでご注意ください。 注2:正解者数は、再放送を含めてフリーマッチを計3回行った際の合計人数です。また、解答権は参加者の95%としています。 問01. 本名を島谷洋平といい、大胆な嘘をつくホラ漫談で知られる、2024年3月9日に行われた『R-1グランプリ2024』で優…
<取材ファイル> 東京都が1990年代に収録し、長く封印してきた東京大空襲など戦争体験者の証言ビデオが、2月末からようやく公開された。一歩前進も、開催中の東京空襲資料展でしか現状では見られず、公開は収録した330人のうち同意を得た122人分にとどまる。「戦争の惨禍を語り継ぎ、都民の平和への願いを世界に向けて発信する」。都は収録の際に趣旨をそう伝えていた。「原点」を忘れず、歩みを止めてはならない。(井上靖史) あわせて読みたい 封印が解かれた東京大空襲の証言ビデオ、東京都が初公開 生死の境をさまよった生々しい経験が語られた ◆平和祈念館計画のとん挫で宙に浮いた証言ビデオ 「たばこ屋の陰に逃げ込む…
新田次郎氏の長編山岳小説。 高校時代は山岳部に所属し現在も夏山縦走程度の登山を行う私にとって、山は比較的身近な存在です。しかし同時に、冬山やクライミングなどレベルの高い内容となると、安全性への懸念だけでなく経済的、時間的制約を受けて断念せざるを得ない状況です。山岳小説は、実体験の感覚を与えながらそういった手の届かない領域に誘ってくれるので、好んで読んでいます。 山岳小説は紀行文チックに、山行記録的に展開されるものが多いですが、井上靖の『氷壁』で見た、山を舞台として繰り広げられる人間同士の関わり、こういった類が読みたく『孤高の人』に逢着しました。帰省のための飛行機搭乗中の暇の遊びとして、だらだら…
富士山と三嶋大社 鳥山明さんとTARAKOさんの相次ぐ訃報 鳥山さんは同郷、TARAKOさんもまるちゃんの生地清水に縁があり勝手に自分に近しい存在であった方だ(もちろん会ったことことも見たこともないのだが) 自分にとって同世代でしかも青年期から逝去されるまでそれぞれの世界でトップに居続けた功績には畏怖をいだかずにはいられない ご冥福をお祈りいたします 今日は三島に滞在 三嶋大社は源頼朝、北条政子ゆかりの神社だ このあたりには井上靖氏が幼少から少年期を過ごした地でもあり氏の小説ににも登場する地でもある 富士山が見える場所というのは特別だな、理由はわからない、神様が見守ってくれているようなものか適…
●概要●ミュージシャン等20名●漫画家111名 ●他漫画家:情報不足・① ・② ・③ ・④ ・⑤ ●ゲームクリエイター14名 ●小説家103名 ・他小説家: ・① ・② ●哲学者1名●ファッションデザイナー2名 ●写真家2名●映画サイト運営者1名 ●概要 現在241名分のリストを掲載。 このコーナーは「映画人のオールタイムベスト(個別)」に掲載した以外の漫画家、アニメーター、ゲーム開発、シンガー、作曲家、小説家、その他クリエイターが影響を受けた・好きな映画のリストをまとめた掲載先のリンク集です。
Book Review 15-10 時代小説 # チンギス紀 『# チンギス紀』(北方謙三著)を読んでみた。 著者は、日本を舞台にした推理小説、歴史小説を書いた後、中国を舞台にした『楊家将』、『水滸伝』(全19巻)、『楊令伝』(全15巻)、『三国志』(全13巻)、『史記 武帝紀』(全7巻)などの著書を多数執筆。多くの文学賞を受賞している。 12世紀に活躍したテムジン(のちのチンギス・カン)の活躍を描いている。大小様々な集団に分かれてお互いに抗争していたモンゴルの遊牧民諸部族を一代で統一し、広大な地域におよぶ国々を次々に征服し、最終的には当時の世界人口の半数以上を統治するに到る人類史上最大規模の…