くぼた・まんたろう(1889-1963)。
東京浅草に生まれる。慶應義塾大学卒。大学在学中「三田文学」に発表の小説「朝顔」を小宮豊隆に、戯曲「遊技」を島村抱月に認められ、以後小説・戯曲両面で活躍、一貫して東京下町の市井と人情を描きつづけ、また暮雨(のち傘雨)と号して俳人としても格調高い芸境をひらいた。昭和32年『三の酉』で読売文学賞受賞。日本芸術院会員。昭和38年5月没。小説に『末枯』『春泥』『むかしの仲間』『寂しければ』、戯曲に『大寺学校』『釣堀にて』、句集に『道芝』『流寓抄』など。昭和42年、中央公論社より『久保田万太郎全集』全15巻を刊行。
(以上、中公文庫『火事息子』の著者紹介を転記)