埴谷雄高が同人誌『構想』(昭和14(1939)年〜昭和16(1941)年発行)に発表したアフォリズム集。…『死霊』の原型となる諸観念が其処に早くも既にして、描出されているという(但し、あの「虚体」という『死霊』に於ける枢要概念(?)は未だ認められない)。
また、これはアフォリズム集ではなく、散文詩集ではないか?という見解もある様である。
ところで、この「不合理ゆえに吾信ず」という言葉は、元々、西洋中世キリスト教護教家にしてラテン教父たる尊称を賜ること屡でないこともないところのテルトゥリアヌスの言と、一般には、されるが、実は彼はその様なことは言っていないとのこと(岩下壮一『カトリックの信仰』(講談社学術文庫)参照。)だ。