「最大なる世界(マクロコスモス)は最小なる世界(ミクロコスモス)と影響しあい相似する」という考え方。西欧神秘思想の基本的な概念であり、錬金術や占星術などの理論的な支柱となっている。
エリファス・レヴィ「コレスポンダンス(万物照応)」の影響を受けてシャルル・ボードレールが書いた『悪の華』のなかの「万物照応(コレスポンダンス)」という詩が、フランス象徴詩の母体となった。
私という「内宇宙」と世界という「外宇宙」が相互に呼応しあうという出合い、その神秘を解き明かすことに、フランス象徴派の詩人は精力を注いだ。そこには、「詩の音楽化」という試みもなされていた。
下のものは上のもののごとく、上のものは下のもののごとし
(エメラルド・タブレットTabula Smaragdina)
目に見える言語で形づくられた
この世は神の夢だ。
(エリファス・レヴィ「コレスポンダンス(万物照応)」)
自然は一つの神殿、そこに生きづく柱は
ときおりとらえにくい言葉をもらす。
人間がそこに入り象徴の森を過ぎ行くと、
森は親しげなまなざしで人間を見守る。
(シャルル・ボードレール「万物照応」)