福の神として信仰されてゐる七人の招福の神様を云ふ。宝船に乗つてやつて来ると信じられてゐる。
一般的には「恵比須、大黒天、毘沙門天、辯才天、布袋尊、寿老人、福禄寿」の七人の神様を云ふ。寿老人と福禄寿は、南極寿星と呼ばれる同一の星(カノープス)の神格化であるため同じ神とされる場合があり、其の場合には寿老人に替つて吉祥天が這入つてゐる場合がある。
大黒天、毘沙門天、辯才天は印度発祥の神様である。大黒天は印度ではマハーカーラと云ひ日本神話の大己貴尊(大国主だからダイコクつながりで)と習合してゐる。毘沙門天は、 印度ではヴァイシュラヴァナと云ふ。辯才天(弁才天)は、辨財天(弁財天)とも呼ばれるが、七福神の場合は辯才天、印度の神様は辨財天と書分ける事がある。印度ではサラスヴァティーと云ひ、日本の宗像三神の市杵島姫神に習合してゐる。辨天や辯天(弁天)と略される事もある。七福神唯一の女神である。又、吉祥天も印度発祥の神様で、シュリーマハーデーヴィーと云ひ、この神も女神である。
布袋尊、寿老人、福禄寿はシナ発祥の神様である。布袋尊は、後梁の時代の禅僧で、七福神唯一の実在の人物である。五行思想において、西の者は「白くてでかくてぢぢむさい」上口が特徴である為、べんべんたる腹を突出し袋を担いで民へ施しをする布袋和尚は問答無用で「弥勒菩薩の化身」と言はれ、福神へ数へられた。寿老人と福禄寿は、共に同一の星の神様として崇拝されてゐたさうである。
恵比須は、日本発祥の神様であり、日本神話の蛭児(蛭子)の事だと噂されてゐるが、定かではない。一つの説としてもともとエビスは異郷からの渡来人を指し、幸せをもたらす客神(まれびとかみ)とされてゐたものや、漁民たちの間で漁の時に海から上がった石を海からやってくる幸福の神様エベツとして神棚に祀った民間信仰(寄神)が変化したものとされる。JR山手線の恵比寿駅とは表記が違ふので要注意。
全国唯一の神社だけで構成された七福神巡りです。毎年正月には御朱印巡りが出来ます。