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ポール・ヴィリリオ。フランスで著名な哲学者、都市計画家。
冷戦、インターネット等、その時代で人間に最も影響を及ぼす科学技術、文化に精力的に言及しつづける。ドゥルーズやガタリとも交流があり、日本人には『ミル・プラトー』における引用や、映画監督押井守による紹介(『パトレイバー2劇場版』はヴィリリオの戦争観を多く参照する)などを通じて知られる。
「冷戦構造における平和とは、核による完全抑止が実現する戦争状態のこと」(『純粋戦争』)
「技術の発明は、常に予測不可能な事故の発現を伴う」(『情報化爆弾』)
「速度の発明により地政学から時政学へと移行した世界はインターネットの登場により、ついにはすべてが'今'となった」(『電脳世界』)
などその語り口は独特で、「速度の哲学者」「事故の博物館館長」などと評される。最近ではようやくヴィリリオの研究書なども登場し、これからの社会、メディアなどに引き続き影響を与えそうな哲学者。
前述「事故の博物館」は以下web版で見ることができる。
http://www.onoci.net/virilio/pages_uk/accidents/liste.php?th=1&rub=1_3
『哲学の劇場』を参照のこと。
http://www.logico-philosophicus.net/profile/VirilioPaul.htm
速度と政治 (平凡社ライブラリー)
純粋戦争 (GS叢書)
電脳世界―最悪のシナリオへの対応 (明日への対話)
ネガティヴ・ホライズン―速度と知覚の変容
情報エネルギー化社会―現実空間の解体と速度が作り出す空間
情報化爆弾
自殺へ向かう世界
民衆防衛とエコロジー闘争
パニック都市―メトロポリティクスとテロリズム
現代思想にもヴィリリオの特集号あり。
http://www.seidosha.co.jp/siso/200201/index.html