→ヴィクトリア朝
ご無沙汰しております。皆様どのようなクリスマスを過ごされましたか? イギリス在住の方のツイートやブログを見ていると、それぞれのご家庭で豪華なクリスマス料理が並べられていて、どれもが美味しそう。ターキーが主流のようですが、ローストビーフのご家庭も多いようですね。それをローストしたポテトやパースニップ、芽キャベツ、ニンジン、ソーセージをベーコンで巻いたものなどと一緒にいただくのがメイン料理の定番。 では、昔はクリスマスにどんな料理を食べていたのか?大人数用のクリスマスディナーのメニューが掲載されていたので、見てみました。 ・モック タートル スープ:牛すね肉や仔牛の頭で出汁を取って作った、海亀のス…
ガヴァネス―ヴィクトリア時代の〈余った女〉たち 作者:川本 静子 みすず書房 Amazon 『ガヴァネス-ヴィクトリア時代の<余った女>たち-』川本静子著を読む。 『我は、おばさん』岡田育著に取り上げられていた本。 ヴィクトリア時代、19世紀の英国では「成人男性の海外移住や晩婚化」が進み、「中産階級のレディたち」にとって嫁ぎ先を見つけるのは容易ではなかった。また、レディにとって働くことは、体面上よろしくないものだった。労働は下々のもの。 ガヴァネスとは「住み込みの家庭教師」のことだが、この職業に就くことは世間的にもレディのプライドから見てもよろしいものとされる唯一のものだった。 当時のいわば花…
早いもので、もう10月が終わってしまいそうです。毎月「The Cook's Calendar」の章から旬の食材について書く予定だったのが、すっかり遅くなってしまいました(汗)。 9月の食材と同じものが多いですが、トリュフやアーモンドなど秋の味覚もありました。 10月のリストに追加されたもの<肉類>doe venison (女鹿)、dotterels (コバシチドリ)、phesant (キジ)、snipe (シギ)、widgeon (ヒドリガモ)、woodcock (ヤマシギ) <魚類>dory (マトウダイ)、gudgeon (タイリクスナモグリ)、halibut (オヒョウ)、salmon …
前回の投稿からだいぶ日が経ってしまいましたが(汗)、秋の献立の続きについて見てみたいと思います。今回はデザート編です。 まずは、Milan Souffle (ミラノ風スフレ)。これは、現在でも Soufflé Milanaise と呼ばれている冷たいレモンのスフレのようですね。スフレは難易度が高そうなので作ったことがないのですが、これはオーブンで焼くタイプではないのでしぼんでしまう心配がないし、作れそうな気がします。 <材料>レモン4個、卵6個、泡立てたクリーム1/2パイント、砂糖2オンス、アイシングラス1オンス <作り方>1. レモン4個の皮に砂糖を擦り込み、卵黄6個に加えてカスタードを作り…
すっかりご無沙汰しています。たいして何もしていないのに、気がつけばもう9月が終わってしまいそうで、ちょっと焦っています。 さて、今日は秋の献立を見てみたいと思います。この本では季節ごとにディナーやランチの献立が紹介されています。平常のファミリーディナーから大人数のパーティ用メニューまで、なかなか凝った献立が考えられています。 マリガトーニースープ鮭開いたウナギ(?)鹿肉のホーンチ(もも肉?) ゆでた鶏肉とセロリソース タン(おそらく牛タン)と芽キャベツカレー風味の卵 クロメスキ仔牛のフリカッセー セカンドコース ーミラノスフレパイナップルフリッター レモンゼリー ストーンクリーム カレッジプデ…
前回はカレーの話でしたが、カレーといえば当然ご飯と一緒に食べるわけで、それなら米も普通にあったのだろうな? ということで今回はお米のレシピをいくつか見てみました。「現在のイギリス料理で米を使ったレシピは何か?」と聞かれると、ライスプディングぐらいしか思いつかないのですが、この本の目次を見ると、それ以外にも rice pancakes (米のパンケーキ)、rice cheesecake (米のチーズケーキ⁉)、 rice meringue (米のメレンゲ??) など、お米を使ったお菓子のレシピがいくつか載っていました。 その中でも、ちょっと予想外の使い方だと思ったのが、rice bread (米…
イギリス料理ではないのですが、カレーのレシピが載っていたのでご紹介したいと思います。 イギリスを含めヨーロッパ諸国では、17世紀頃にはすでにインドなどから香辛料を輸入していたようなので、19世紀にはカレーもそれほど珍しくはなかったのかもしれません。著者のアングロインディアンの友人直伝らしいカレーレシピでは、さまざまなスパイスを混ぜてカレー粉から作っています。基本的にはコリアンダーの種、ブラックペッパー、カイエンペッパー、ターメリックなどをすべて粉末状にして混ぜるだけなので、簡単に再現できそうです。 カレー粉のレシピいろいろ カレーの材料には牛肉、鶏肉、豚肉、マトン、ウサギのほか、"cold c…
夏から秋にかけては、ベリー類やスモモ類の収穫の季節。ジャムやプリザーブ作りが趣味の方も多くいらっしゃると思います。 ふと、Damson Cheese (ダムゾンのチーズ) というレシピが目に付いたので、ご紹介したいと思います。西洋スモモと訳されるダムゾンは、紫色の小ぶりのプラムのようなフルーツです。生で食べるよりも、砂糖で煮たりジャムにして食べるのが一般的です。 それをどうやってチーズに? と思ったのですが... レシピをよく読んでみると乳製品は一切入っていません。 どうやら、fruit cheese (フルーツチーズ) というのは、いわゆるチーズではなく、フルーツを砂糖で煮詰めて固めたもので…
ツイッター経由でお読みいただいた方々、どうもありがとうございます。同じように古いレシピに興味をお持ちの方が多くいらっしゃるようで嬉しいです。アクセス数が一気に増えて、ちょっと慌てております…。 あらためて、この料理本についてもう少し詳しく知りたいと思い、少し調べてみました (といってもウェブで検索しただけですが)。 まず、正式な題名は『Warne's Model Cookery with Complete Instructions in Household Management』になります (参考文献として追加しました)。著者は Mary Jewry という女性で、当時の有名な児童文学作家の …
さて、アイスクリームとシャーベットのレシピをいくつかご紹介しましたが、冷たいデザートには甘いものだけでなく、お酒を使ったものも載っています。その名も Punch Ice (パンチのアイス)。パンチを凍らせたものと想像できますが、ラム酒、シャンパン、ブランデーが入っていて、かなり酔っぱらいそうです。 <作り方 (2411)>1.5パイントのレモンウォーターアイス (レモンのシャーベット) に対し、ホワイトラム、シャンパン、 ペールブランデーをグラス1杯ずつ、グラス半分の温かいゼリー液を加え、凍らせる。1クォート分。 レモンシャーベットをベースにしているので、サッパリして美味しそう。なぜゼラチンを…
1話 ひまりのアイプリデビュー! (TVに)帰ってきたプリティーシリーズ。 開幕セレブリティアラームみたいな配信、のんみたいなしっかりものの妹、そうなんだムリムリムリムリと、アクセル全開であ、プリティーシリーズだこれ。ってなった。 兄の友人に憧れる…CCさくらかな?さらにショタまでいる。全員アイプリしろ。 クラスメイトのビジュアルが濃い。なんなんだあのナンジャモみたいなのは。チィはいきなり次回ライブするのか。 アイプリ禁止にしないあたり優しいヴィクトリア。時代の流れには逆らえなかったグロ あまりにも自然なアイプリブレス装着の流れで草。これぞプリティーシリーズよ。 黄色の謎の少女はアイプリ空間に…
一条真也です。今日は、2024年3月11日。能登半島地震の発生から71日目であり、東日本大震災の発生から13年目となるこの日、名著『天災と日本人』寺田寅彦著・山折哲雄編(角川ソフィア文庫)を紹介いたします。「寺田寅彦随筆選」というサブタイトルがついています。著者は、1878年-1935年。東京生まれ(高知県出身)。熊本の五校で夏目漱石に英語を習う。東大物理学科を卒業し、ヨーロッパ留学後、東大教授。理化学研究所、東大地震研究所の研究員としても活躍。物理学者、俳人、随筆家。 カバー裏表紙には、「長い時を経て日本列島に築かれた文明の本質を、自然科学と人文学の両面から明らかにした寺田寅彦。その鋭い考察…
ジョン・ラスキン ガザでは虐殺がまだ止まない。イスラエルの軍や政治家の姿勢を見ると、初めからパレスティナ人の命を軽視し虫けらのように扱っているのが分かる(もちろんこれは今回に限ってではない)。しかし、それを見ながら欧米諸国の政治家はイスラエルに正義があるとしてこれを止めようとしない。ブラジルなどがイスラエルと断交しようとしているが、全ての国がこれに見習うべきなのだ。 欧米の民主主義や人権尊重とは口先だけだったのか? ウクライナでの戦闘も、既に多くの者がロシアの勝利を確信してきているのに、やはり欧米の政治家は、これを止めようとしない(その権限がゼレンスキー大統領にないのは明らかだろう)。 ゼレン…
親切心と善意 No act of kindness, no matter how small, is ever wasted. どんなに小さな親切も無駄になることはないのです。 ―Aesop
天真爛漫 The present moment is filled with joy and happiness. If you are attentive you will see it. 今この瞬間は喜びと幸福で満ちています。よく観察すれば、きっと見えるでしょう。 ―Thich Nhat Hanh
欧米諸国の人々と比較し、自分が然程アルコールに強いとは思わない。遺伝的に日本人はアルコールを無害化する機能に劣るのだ。 欧州のモンゴロイド系以外の人種は酒豪しか見た事が無い。彼らは日本人であれば急性アル中になる量を平気で呑み干すが、せいぜい陽気になる程度で酔い潰れるという醜態を見せない。その点、非常に品位の高さを感じる。 二十代では出張先でアイリッシュパブにて周囲に合わせグレンリベット(スコッチウィスキー)をストレートとトワイスアップ(1:1の水割り)で多量摂取し、ホテルに戻り嘔吐した事も有った。 本場ではロックという飲み方は存在しない。「それはスコッチの愉しみ方ではない、日本人はおかしい」と…
理解への感謝 Before we can forgive one another, we have to understand one another. 互いに許し合う前に、お互いを理解し合わなければなりません。 ―Emma Goldman
美と幸福 A thing of beauty is a joy forever. 美しいものは、永遠の喜び。 ―John Keats
再生、新しい始まり New beginnings are often disguised as painful endings. 新しい始まりは、往々にして辛い終わりを装っている。 ―Lao Tzu
品格と自尊心 There is nothing noble in being superior to your fellow men. True nobility lies in being superior to your former self. 他の人より優れていることが立派なのではなく、本当に素晴らしいのは過去の自分より優れていることです。 ―Ernest Hemingway
威厳と美徳 The lily is the emblem rare, of many virtues good and rare. 百合は多くの優れた美徳を象徴する貴重なシンボルです。 ―Unknown
優雅な美しさ The pursuit of perfection, then, is the pursuit of sweetness and light. 完全を追求していくと、美しさと光を追求することになります。 ―Matthew Arnold
シャーロック・ホームズとジェレミー・ブレット 作者:モーリーン・ウィテカー 原書房 Amazon 『シャーロック・ホームズとジェレミー・ブレット』Jeremy Brett is Sherlock Holmes モーリーン・ウィテカー著 高尾菜つこ訳 日暮雅通監修 原書房 著者は英国のシャーロキアン&ブレティアン。ジェレミー・ブレットへの愛情が行間から溢れている。今までブレットのちゃんとした評伝がなかったので「書いてしまった」という。ある意味、ファンのファンによるファンのための一冊。
紳士的、「僕に微笑みかけて頂けませんか」 Sweet William small has form and aspect bright, like that sweet flower thatyields great Jove delight. 小さくも輝くスウィートウィリアム!まるで大いなる神ジョーヴに喜びをもたらす、あの愛おしい花のよう。 ―Abraham Cowley
切り裂きジャックに殺されたのは誰か: 5人の女性たちの語られざる人生 作者:ハリー・ルーベンホールド 青土社 Amazon 切り裂きジャックは売春婦を殺した、またはそのように信じられてきたが、5人の犠牲者のうち3人に関しては、売春婦だったと示唆する確固たる証拠はない。暗い空き地や路地で遺体が見つかるやいなや、警察は、彼女たちは売春婦であり、性交目的でここへ誘いこんだ変質者に殺害されたのだと推測した。これについても、当時も現在もまったく証拠はない。それどころか、検死審問の過程で、切り裂きジャックは被害者と一度も性交していないことが確認されているのだ。さらに、どの事件も争った形跡はなく、殺害は完全…