日本ファルコム制作のARPG。1986年発売。メインプログラマー木屋善夫。
別名「ドラゴンスレイヤーJr.」 数字はついていないが、木屋氏による「ドラゴンスレイヤー」シリーズの三作目にあたる。
はるか遠い昔、森の中に二人の兄弟が治める二つの国がありました。
兄王のロマンシア王国と、弟王のアゾルバ王国。二つの国は長らく平和な日々を送っていました。
ところがある日、ロマンシアの王女セリナの誘拐をはじめ、病がはやりだすなど、各地でさまざまな異変が起こるようになりました。
ロマンシアを訪れたファン=フレディ王子は、この国に異変が起こっていることを知ります。
ファン=フレディ王子の冒険はここから始まります。
横視点型のARPGなのだが、APRGのゲームシステムを使った謎解きゲームと言った方が的確。
プレイヤーは主人公ファン=フレディを操作して、ロマンシア王国とアゾルバ王国を襲う異変の原因を探ることとなる。
美麗なグラフィック、高速スクロール技術等、高い技術力がつぎ込まれていることは当時の日本ファルコム作品と共通している。
ちなみにイメージイラストは、当時日本ファルコムに在籍していた都築和彦が描いている。
この作品最大の特徴は、かわいらしい外観とは裏腹な、その極悪なまでの難易度。
ゲーム中、謎解きのヒントが示されることは一切なく、また相当の試行錯誤を要求するものが多かった。
そうした内容と、セーブ機能なし*1という仕様も手伝って、気軽に遊び始めたのはいいものの、あまりの難しさに途中で投げ出してしまうプレイヤーが続出した。
難易度の高さやスケールの大きさがゲームの面白さと混同されていた時代を象徴する作品の一つ。
翌年に同社より発売された「イース」には、この作品に対する反省という意味合いもある。
後年、アンバランス社よりウィンドウズ版が発売された。グラフィックの書き直しや音声の追加といった、演出の強化がされているほか、セーブ機能が追加されるなど、難易度の低下が計られている。
「ソーサリアン」の基本シナリオのひとつ「ロマンシア」は、本作をパロディ化したもの。
ファミコン版はPC版と内容が異なっている。
*1:裏技でコンティニューは可能だが、失敗するとアイテムを失う可能性があるという厄介なものだった。