大学生と話していて、部活はボート部と聞き、私は言った。「レガッタ」 すると、彼は、この言葉はまだ一般的になっていないと思っていたのか、「なんで知ってるんですか」 と驚く。 だが、私の方が驚きは大きかった。 私は自信を持てレガッタと言ったのではない。 無からいきなりその言葉がポンと出た、と言えばいいだろうか。 ひとごとみたい。 だから、自分のことなのに驚かされた。 中学生の時、塾で、雲の名前を高度の高い順に習った。 その翌週、十人弱の同級生の中で、答えられたのは私だけだった。 復習したりしていなかったのに、全部、正しく言えた。 この時も、そんな私の言葉を、私の意識はひとごとのように聞いていた。 …