連結な一次元複素多様体。
すなわち局所的には複素平面と解析同型なる位相空間。
ドイツの数学者リーマンによって
「楕円積分が定義されるべき空間」
として発見された。
ワイエルシュトラウス的には解析接続の概念に根ざした空間概念である。
単連結リーマン面は複素平面、上半平面、射影空間しかない。(Riemannの写像定理)
よって種々のリーマン面はこれらを被覆変換群の作用で割ることによって得られる。
このことから保型形式の理論では、群作用で半不変な正則関数を用いて
リーマン面上の有理型関数を調べる。
当然、群論・数論・組み合わせ論とリーマン面の関係も深い。
射影曲線は典型的なリーマン面であるが、実は逆に
任意のコンパクトリーマン面は高次射影空間に埋め込むことで
代数曲線としての実現が可能である。
ゆえに代数・解析・幾何の交わるところにリーマン面の理論は位置し、
リーマン面は最も豊かな数学的対象のひとつとなっている。