ホッブズの著書。
悪魔の一柱であり、巨大な海の魔獣。
七つの大罪のうち、「嫉妬」を司る。
「レヴィアタン」もしくは「リヴァイアサン」と呼ばれるこの悪魔は、ヘブライ語では「自ら折りたたんで集める者」を意味する。その体は剣も矢も槍も、鉄の武器も青銅の武器をもってしても突き通すことはできない。
「彼はおののきを知らぬものとして造られている。驕り高ぶるもの全てを見下し、誇り高い獣全ての上に君臨している。」(『ヨブ記』)
ラビの伝統によれば、原初の海の天使であるラハブと関係があるとされている。またレヴィアタンを竜の支配者であるとする解釈もある。ベヘモトが陸の魔獣として生まれたのに対し、レヴィアタンは海の魔獣として生まれている。
その姿の詳細については、鯨とも、クロコダイルとも、また海竜や海蛇とも説が分かれているが、水に関係した巨大な生物であることは確からしい。ウィリアム・ブレイクはレヴィアタンをとぐろを巻いた蛇として描いている。
レヴィアタンのルーツは複雑で、イスラエルと敵対関係にあったエジプトのナイルワニのイメージ化されたものや、蛇神ネフシュタン、聖書にも登場するレヴィ人というイスラエルの祭祀を司った一族が信仰した神の異形の姿などが挙げられる。