面積 | 111,370平方キロメートル(日本の約3分の1) |
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人口 | 約347万人(2008年:国勢調査) |
首都 | モンロビア(MONROVIA) |
民族 | ゴラ族、クペレ族、クル族、バサ族等16部族 |
言語 | 英語(公用語)、その他各部族語 |
宗教 | 国民の90%が伝統宗教、その他にキリスト教とイスラム教 |
隣国シエラレオネに旧宗主国のイギリス、コートジボワールにはフランスが軍隊を派兵し、いずれもテーラー大統領の息のかかった反政府勢力が暗躍するなかで、解放奴隷が建国したリベリアはアメリカとの因縁が深く、ブッシュ大統領として無視できない事情がある。しかも、テーラー大統領は国際テロ組織アルカイダへの支援疑惑も浮上している。
停戦合意が崩壊したのは、「お尋ね者」のテーラー大統領の処遇問題がある。テーラー大統領はシエラレオネの内戦で、市民の手足を切り落とす残虐行為で知られる反政府勢力「革命統一戦線」に、ダイヤと引き換えに武器を送るなどの支援を続け、特別法廷から起訴されているが、停戦合意の中に、テーラー大統領が加わらない暫定政府の樹立が盛り込まれていた。
隣国のリベリア政府はシエラレオネのRUF支配地からダイアモンドを輸出させ、RUFに軍事設備を売ることによって、国連制裁を破っていると非難されている。リベリア自身、国北部において市民は、政府勢力と反政府武装勢力による人権侵害に苦しんでいる。リベリアから輸出されるダイアモンドはほとんどないが、リベリア政府はそのRUFとのダイアモンド貿易の利益を人権侵害に寄与する武器や軍事設備を調達するために使用していると非難されている。
隣国シエラレオネの反政府勢力とのつながり。
シエラレオネでは、内戦が10年以上続き、これにより5万人が命を落とし、1万人が手や足を切断され、100万人の人々がホームレスとなっているといわれている。
難民女性への虐待やレイプは日常的。選挙の投票を阻止するため、RUFは「みせしめ」として手足を切断したりする。
国際人権保護団体アムネスティのサリル・トリパシ氏は、「富裕国の若い女性が買った指輪のせいで、シエラレオネでは女性1人の手足が切り落とされているかもしれない」と話す。ロンドンの環境・人権保護団体「グローバル・ウィットネス」のアレックス・ヤースリー氏は、「手足を切断された市民たちは、米の収穫作業ができなくなり、食糧をRUFに頼るようになる。シエラレオネ国軍も食糧の道を絶たれ、国全体が飢餓のために不安定化する。RUFはそれを狙っているのです」と説明する。
リベリアの問題は何なのか。
問題は非常に複雑だ。チャールズ・テーラー大統領はかなり残虐なやり方で権力を掌握しただけでなく、隣国シエラ・レオネの内戦を扇動した。彼は他の隣国にも介入しており、テーラー大統領がこれ以上困難を醸成するのを隣国が嫌ったこともリベリアにおける現在の暴動の原因の一つだ。彼はまた、シエラ・レオネのダイヤモンドの密貿易の中継点としてリベリアが利用されるのを認めたことでも非難されている。彼はマサチューセッツ州の脱獄囚で、大統領にふさわしい人物だとはとても言えない。彼は確かに国民によって大統領に選出されたが、それは当時人々が、もし彼が大統領に選ばれなかったら、(彼が内戦を煽ることで)内戦がさらに悪化すると考えたからだ。だからブッシュ大統領が彼に退陣を要求したのはいい判断だと思う。
内戦のいきさつは、西アフリカ諸国経済機構(ECOWAS)が1990年当時C・テーラーの軍事力による政権乗っ取りを許さず、平和維持軍を派遣してリベリア和平を実現したとき、シエラレオネがその出撃に基地を提供したことにありました。テーラーはこれを根に持ち、シエラレオネに反乱軍を育成援助して隣国に復讐し、同時にダイアモンドの富も入手できる一石二鳥の行動を開始したのでした。1991年です。反乱軍の首領サンコーは当時テーラーの別荘に住み、そこからシエラレオネに侵入しました。内戦の始まりでした。