三次元時間(x,y,z,)という概念に時間(ct)を取り入れたx,y,z,ct(時間)を4次元空間と呼び、これをミンコフスキー時空という。 空間と時間の各成分の2乗を足すときに、時間の前の係数を-1 にして足すことによって不変量、すなわち長 さを求めることができる。計量の各成分の符号が異なるような空間をミンコフスキー空間 とよび、また、その計量はミンコフスキー計量という
以前に書いた特殊相対論と一般相対論の関係がよくわからなかったという話は、この本を見たら一般相対論の接空間がミンコフスキー空間になると書いてあったので、すぐに腑に落ちました。一言書いてくれればすぐわかるのにどうして他の本にはあまり書いてないのでしょうか。これで少し一般相対論の理解が深まったと思います。 さて、話は全然変わりますが、電総研に入ったころ、たくさんテニスコートがありました。今はつくば駅の北にある駐車スペースの吾妻小のとなりのスペースもテニスコートでしたし、電総研の中にもたくさんテニスコートがあって、休み時間とか休日とかも結構にぎわっていました。私は前書いたようにテニスサークルののりにつ…
【世界線のズレ】ミンコフスキー時空図で見る特殊相対性理論の不思議 動画 YouTube https://www.youtube.com/watch?v=6KSH0BJwFMY ミンコフスキー空間 『マンガと図鑑でおもしろい! わかるノーベル賞の本』 うえたに夫婦/著 大和書房 2023年発行 これがないと世界が混乱 1989 ラムゼー共鳴法の発見と水素メーザーや原子時計への応用 ノーマン・F・ラムゼー(アメリカ 1915-2011) 1950年頃、ラムゼーは後に「ラムゼー共鳴」と呼ばれる現象を発見する。 これは、原子と電磁波との相互作用に関する現象で、結果的に電磁波を高い精度で制御する技術につ…
はじめに Wathematicaアドベントカレンダー12/19担当のY・Yです。 ベクトル解析で用いられるガウスの法則やストークスの法則、ベクトル解析の最大の応用先とも言える電磁気学などは、微分形式を用いた方が統一的に表すことが出来る、というのはかなり有名な話です。例えば、のベクトル場の発散は、2-formの外微分として捉えることが出来ます。しかし、実用上はユークリッド座標だけでなく、極座標その他の直交曲線座標で考えることも多いです。また、一般相対論では、曲がった時空上にMaxwell方程式は拡張されます。この時、ベクトル場の微分はどのように変換されるのか、というのが今回の主題です。 おことわ…
こんにちは、物理工学科B3のtaigaです。本記事は2023年東大応物アドカレ物工/計数 Advent Calendar 2023 - Adventarの6日目(2人目)の記事となります。各自思い思いの記事を書いているのでぜひ他の日も覗いてみてください!この記事では特殊相対論の記法について簡単にまとめます。東大応物のカリキュラムではしっかりと(特殊)相対論を学ぶ機会がありません。しかし、3Aセメスターになるとさも既知かのように相対論でよく見るテンソル記法や電磁場テンソルがガンガン講義で登場します。このような事態に悩む応物生(特に物工生)のために相対論で現れるテンソル解析の記法やマクスウェル方程…
特殊相対論の出発点は、次の2つの原理です。特殊相対性原理:物理の基本法則はどの慣性系上の観測者にとっても同じ光速不変の原理:真空中の光の速さは、相対的な運動によらず、どの観測者にとっても同じ 地面に固定した静止系をОとし、その座標を(ct,x)とします。また、この座標系に対してx軸方向にvで等速運動する剛体棒を考えます。この剛体棒に固定した座標系をО'とし、その座標系を(ct’,x')とします。普通は剛体棒でなく「光速近くまで加速された素粒子」に固定しますのでx軸で話をしますが(ローレンツブースト)、ミンコフスキー空間は時間1次元、空間3次元のベクトル空間(ct,-x)です。 О系:Euler…
1.ニュートン力学 固定された背景時空を物が運動している。 絶対主義。 同じ出来事を2人の慣性系(絶対的に正しい人達)が見るとき、2組のxyzt(場所と日時)の値はガリレイ変換で換算できる。 半導体や磁性体を扱う物性論(非相対論的量子力学)もこれ。 2.特殊相対性理論 固定された背景時空を物が運動している。 絶対主義。 同じ出来事を2人の慣性系(絶対的に正しい人達)が見るとき、2組のxyzt(場所と日時)の値はローレンツ変換で換算できる。 素粒子論(相対論的量子力学)もこれ。 3.一般相対性理論 物の影響で背景時空が変形する。 相対主義。 絶対的に正しい人達、というのはいない。 4.ペンローズ…
数学は基本的にユークリッド空間を扱うのですが、物理ではミンコフスキー空間を使います。この2つの空間は色々な性質が違います。 説明抜きに専門用語を使うと、距離に関して ユークリッド空間:正定値計量 ミンコフスキー空間:不定計量 という違いがあり、点と点のつながりに関して ユークリッド空間:距離位相で近傍を定義すると、分離公理が成り立つ ミンコフスキー空間:距離位相で近傍を定義すると、分離公理が成り立たない という違いがあります。 なお、ミンコフスキー空間での上記の"近傍"とは、大雑把には、光円錐の事です。 したがって、数学の本で『多様体』『リーマン幾何学』『位相幾何学』『トポロジー』とかいうタイ…
数学でいう多様体とは、小さなユークリッド空間をパッチワークのように貼り合わせたものです。そしてツギハギのつなぎ目は滑らかで、角張らないようにします。一方、物理では、小さなミンコフスキー空間をパッチワークのように張り合わせます。 ユークリッド空間とミンコフスキー空間には大きな違いがあるのですが、以下ではその違いを気にせず、イイカゲンに記述します。 多様体では、2点間の(距離÷座標差)の平方根を計量と言い、よく記号gで表します。 ユークリッド空間:gは場所と向きによらず、つねに1。 リーマン空間:gは場所により変化するが、向きにはよらない。 フィンズラー空間:gは場所と向きの両方に依存する。 数学…