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Michel Foucault(1926年10月15日〜1984年6月25日) 戦後フランスを代表する哲学者・歴史家。ボアティアの高名な外科医の子として生まれる。 晩年、ホモセクシュアルであることをインタビューで告白して話題となった。エイズで亡くなったといわれている。主要著作はほとんど翻訳されているが、いずれも高価であるため、気軽に買えるとはいいがたい。 晩年の愛読書は『ラ・ロシュフコー箴言集』(岩波書店)。
読んだ本 山口尚『人が人を罰するということ:自由と責任の哲学入門』ちくま新書 (2023) フローベール『感情教育(上)』光文社古典新訳文庫 (2014) 山川偉也『哲学者ディオゲネス:世界市民の原像』講談社学術文庫 (2008) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『感情教育 上』は400ページ弱まで読み進んだ。このままいけば来週の今ごろは『感情教育 下』を読み終わっているかもしれない。 X(旧Twitter)を地道に続け、フォロワーが2300人を超え、明らかに自分よりも読書量の多い人たちから様々なアドバイスや交流を経て、ますますアンテナの感…
読んだ本 上野千鶴子『上野千鶴子がもっと文学を社会学する』毎日新聞出版 (2023) グレゴリー・ベイトソン『精神の生態学へ (下) 』岩波文庫 (2023) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 ミシェル・フーコーは知と権力の結びつきについて論じたみたいであるが、今を生きているだけではなかなかそうは感じない。 上野千鶴子氏の本を読んでみると権力が徐々に変容している様子が伝わってくる。 今では女性差別と認定される発言が昭和では平気でまかりとおっていた。 これは端的に、権力…
Peter Halley: Paintings 1989-1992 / Peter Halley, I. Michael Danoff / Des Moines Art Center / 1992 / 273x280mm / 50p / 英文 / softcover / は「本まるさんかくしかく」 で販売中です。 hon034.stores.jp 「フランスのポスト構造主義の 哲学者であるミシェル・フーコーの 名著「監獄の誕生」の思想から 牢獄と思しき 幾何学体を用いた 哲学的・社会的批評となる作品。」 と、 説明がされていますが、 とっさには、 理解不能です。 でも この抽象画、 キレイでし…
『現代ミステリとは何か:二〇一〇年代の探偵作家たち』(南雲堂、2023年)を読み、色々と触発されたため、最近の日本の探偵小説、ミステリーについて漠然と考えてきたことを、ここでまとめておきたい。私は本書で論じられている「二〇一〇年代」の作品群を多数読み、それらに通じている訳ではなく、それゆえ以下の議論においても、考えが及んでいないところはあるだろう。ただ哲学・思想の研究者として、広い時間的パースペクティブから最近の諸傾向を点検してみることには、何か益することはあると思われる(少なくとも議論の叩き台くらいにはなろう)。この記事では——ありふれた選択であるが——ミシェル・フーコーの観点を採用して考察…
読んだ本 マーク・クーケルバーク『自己啓発の罠 AIに心を支配されないために』青土社(2022) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ なし ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 50ページ読み進めた。 というのも、一般書というものは概ね50ページ読めば軸は見えてくるものだと思っている。 結論から書いても意味がないと思ったので軽いまとめと感想を書き残す。 ・・・ まず著者は自己啓発をプラトン哲学、ストア派、ヘレニズム時代と流れていく「人文主義」の伝統を引き継ぐものだと位置付けている。 古代ギリシアの格言…
読んだ本 引用元:版元ドットコム ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ なし ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 160ページまで読んだ。 思想という括りではあるが、歴史的裏付けによる系譜学的な権力論ということで、単なる個人の感想ではないというのは十分伝わるところではあるが、原典を先に読まなければあまり収穫がないように感じた。 ・・・ ひとつだけ印象的な点を挙げるとするならば、権力の偏在性についてドゥルーズ+ガタリの提唱した「リゾーム」に通ずる点があるというフーコーの読みであった。 権力というと国…
読んだ本 西川純也『窓の環境史 近代日本の公衆衛生からみる住まいと自然のポリティクス』青土社(2022) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ なし ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 導入部分から方法論の説明まで、94項まで読み進めた。 端的に、どういう問題意識を持ちながら本書を書いているのかなかなか伝わってこなかったが、私の解釈では公衆衛生の歴史の書き直しをしようとする試みだと感じた。 ・・・ 公衆衛生というのは政府が主導のもとで発展してきたということで、歴史的に記述する際には「権力」という概念を…
読んだ本 池田晶子『考える人』中公文庫(1998) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ なし ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 今日は珍しく忙しい一日であった。 そのなかでも、少ない隙間時間を利用し移動時間は本書を読んだ。 ・・・ 池田晶子のミシェル・フーコー、ジャック・デリダに対する痛烈な一撃を、場外ホームランのような痛快感を味わいながら読んだ。 まずフーコーに対しては、「神の死」というものを論じている貴方は神というものを、狂気に陥るその手前まで、死ぬ気で考えたことがあるのかと述べた。 世界はど…
読んだ本 引用元:版元ドットコム つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ なし ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー日記 最終章(9章)の手前まで読み終えた。 結論から書くと、未開社会と呼ばれる社会のシステムと先進国における社会システムも人類学的に見れば根本において同じような原理が働いているというものであった。 (前回、前々回の記事の内容に従えば、両方の社会にディナミズムが作用している。) ・・・ 出版、統計、技術などが相互作用的に…
好きなアーティストに山下達郎がいる。名曲揃いで、かなり魅了されて自分は聞き込んでいる。「クリスマス・イブ」や「RIDE ON TIME」だけじゃない。「風のコリドー」「高気圧ガール」「マーマレイド・グッドバイ」「Get Back In Love」「蒼氓」「アトムの子」「ジュブナイルのテーマ」「ミライのテーマ」…挙げればキリがない。「SILENT SCREAMER」も、うねるようなギターが超カッコいい。 「SILENT SCREAMER」80年の名作『RIDE ON TIME』の“Out Door Side”(アナログ盤のA面)に収められていた「SILENT SCREAMER」。この曲も「BOM…
一条真也です。『闇の精神史』木澤佐登志著(ハヤカワ新書)を読みました。思想やポップカルチャー、アングラカルチャー、インターネット文化など、幅広い領域で執筆活動を行っている著者の『SFマガジン』での2年間の連載をもとにした一冊です。著者は1988年生まれ。文筆家。著書に『ダークウェブ・アンダーグラウンド』、『ニック・ランドと新反動主義』、『失われた未来を求めて』、共著に『闇の自己啓発』(早川書房)、『異常論文』(ハヤカワ文庫JA)があります。 本書の帯 本書の帯には、「イーロン・マスクはなぜ火星を目指すのか?」と書かれています。カバー前そでには、「19世紀ロシアに生じた、ロシア宇宙主義と呼ばれる…
④サミュエル・リチャードソン『パミラ、あるいは淑徳の報い』(1740年) 死刑が大衆の娯楽だった時代 ヨーロッパの歴史における大きな謎の1つは、身体刑の消滅です[22]。 前近代の世界では、ヨーロッパに限らず世界のどこでも残虐な刑罰が当たり前に存在しました。罪人の手足の骨を鉄棒で叩いて粉砕し、ぐにゃぐにゃになった腕でカラダを車輪に括り付けて、腹を引き裂いて内臓を露出させ、ゆっくりと時間をかけて殺害する。あるいは、手首や足首を縛った縄を、数頭の馬で別々の方向に引っ張って八つ裂きにする――。そんなB級ホラー映画も裸足で逃げ出すような血みどろの拷問と身体刑が執行されていたのです。日本の歴史を振り返れ…
著者:千葉雅也 講談社2022 [目次] はじめに 何故いま現代思想か 第一章 デリダ――概念の脱構築 第二章 ドゥルーズ――存在の脱構築 第三章 フーコー――社会の脱構築 ここまでのまとめ 第四章 現代思想の源流――ニーチェ、フロイト、マルクス 第五章 精神分析と現代思想――ラカン、ルジャンドル 第六章 現代思想のつくり方 第七章 ポスト・ポスト構造主義 付録 現代思想の読み方[内容・感想] 本書の内容から、現代はポスト構造主義、ポストモダン(近代)の時代。相対主義。なんでもありの世界になってしまう。 しかし、現代思想には相対主義的な面がある。脱構築という概念は、本当の意味ではそうではない。…
さて小松英雄は『仮名文の構文原理』で「句読点の挿入を積極的に拒否する」連接構文的な「〈付かず離れず〉の弾力的な文体の特性」が「和歌において極限まで追求された」と述べている。ところが釈迢空は短歌に平気で句読点を放り込む。折口信夫が日本語の持てる資源を最大限に活用しようと試みていることは、このことからもうかがえよう。「句読点の挿入や『一字空き』をどう神経質にいじったところで、無意識の底から響いてくる音楽を持たない詩人が人工的に継ぎ接ぎした言葉は、字数こそ合っていても真正の『うた』にはなりようがない。釈迢空の『和歌』は七・五の音律の幻妙な魔術から見放されている」――これは松浦寿輝による印象批評だが、…
目次: 好評のシュプリーム×マルジェラ 著名人が語るマルタン・マルジェラの影響力 デザインしていないようでデザインしている メゾンマルタン・マルジェラへの66の質問とその回答 「細菌」がデザインする服 前衛的で実験的なのに美しいアーティナザルコレクション エルメス×マルジェラデビューコレクション後の貴重なインタビュー プレミア化している1999年のマルジェラ写真集 衣服をまとった身体の構築を可視化したマルジェラのトワルドレス マルタン・マルジェラを着ることは「オシャレ」じゃない 革新性を拒否するという革新性 「沈黙」するネームタグとデザイナーが意味するもの // 好評のシュプリーム×マルジェラ…
哲学は、「愛智」というギリシャ語に由来し、「知の愛、真理の探求」を意味します。それは人間の思考と存在の根本に関する質問に答えようとする学問です。なぜ私たちはここにいるのか?善とは何か?真実を知ることは可能か?これらの普遍的な疑問は、古代から現代に至るまで、多くの偉大な思想家たちを惹きつけてやまないテーマでした。この記事では、そんな人類の哲学的旅をたどり、その過程で生まれたアイデアがどのように私たちの文化、政治、そして日常生活に深く根ざしているのかを探ります。 次に、古代哲学の起源について記述します。このセクションを完成させた後、残りのセクションも順番に作成していきます。 古代哲学の起源 古代哲…
『オリエンタリズム』の批評家サイードについて 中井亜佐子は英文学、特にコンラッドをはじめとしたモダニズム期のものを専門とする研究者で、以前も当ブログで著書を紹介したことがある。 pikabia.hatenablog.com 今回紹介するのは、上記『〈わたしたち〉の到来』においても主要な参照項となっていた批評家、エドワード・サイードに関するものだ。 エドワード・サイード ある批評家の残響 作者:中井亜佐子 書肆侃侃房 Amazon エドワード・サイードはパレスチナ人としてイスラエルに生まれ、後にアメリカ合衆国に移住した批評家である。西欧において語られるアジアのイメージを批判的に論じた代表作『オリ…
武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50 (角川文庫) 作者:山口 周 KADOKAWA Amazon 2023 山口周 角川文庫 めちゃくちゃ、むちゃくちゃ。 面白かったです。 そっか哲学って、 なぜ私は生きているのか それは私が考える生き物だから みたいなね。 はあ、そうですか~…としか言えないような 答えになってんだか、なってないんだか、解釈はお任せします…というような、 あるいは、「とんちの限界を探れ!」みたいな。 そんな学問ではないのだ、と。 ちなみに上のやつは「われ思う、故にわれあり」(デカルト)ですね。 で、この山口さんの哲学入門書のいいところは、冒頭で…
概要 金融投機や経済発展の物語に翻弄されるのではなく、そこから解放される道があると、サンフランシスコ州立大学のエイミー・バンは主張している。 バンは、People of colorの作家たちによるスペキュラティブ・フィクションこそが、新しい未来を切り拓く鍵なのだと説く。バンが『Migrant Futures』で分析するのは、1990年代以降に書かれた作品群だ。これらの作品は、SF的な設定を通して、植民地時代の負の遺産や、科学技術が生み出した負の側面を鋭く指摘している。そうすることで、近代の進歩的な神話に異を唱え、西洋中心主義を解体しようとしている。 Duke University Press …
20世紀の哲学は、前例のないほどの多様性と深みを持っています。この時代には、存在論から倫理学、政治哲学に至るまで、人間の思考と存在に関する根本的な問いが提起されました。ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインからジュディス・バトラーまで、ここで紹介する10人の哲学者は、それぞれ独自の視点からこれらの問いに答えを出し、後世の哲学に大きな影響を与えています。初心者の方々にもわかりやすく、それぞれの哲学者の核心的な思想を500文字で紹介していきます。 1. ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン ウィトゲンシュタインは、言語とその意味に焦点を当てた20世紀を代表する哲学者の一人です。彼の主著『論理哲学論考』で…
明け方まで社会学試験の答案作りをしていた。問題は5問あって、実際に出るのは1問だけ。それぞれの問題は1200字程度の論述式。1問か2問ヤマはるかと思ったが、今回は律儀に全部の問題の解答を作ってみた。 すべて終了してからWEBサイトの科目の試験を開く。制限時間は1時間。実際の問題はというと、一番文章的にはこなれていないというか、散漫な感じのするやつだったけど、まあ仕方がない。シンプルノートで作っておいた論述をコピーして貼り付けるだけ。時間にして10分も経っていない。試験も様変わりしたものである。 提出ボタンをポチってサイトをとじて終了。窓のカテーンを開けると、なんと雪が降っている。3月の雪という…
ショーペンハウアー『幸福について』(鈴木芳子訳) の自分用読書メモ。
慌しくなると忘れてしまう。何をしていたのか、何をしようとしていたのか。大切なことは自分の側にある。社会はさも働いてお金を稼ぐことが重要だと説得してくる。会社や組織に所属すること、地位や肩書き。もちろんお金は大切だし仕事も必要だ。しかしそれらは自分が生きていくために必要なことであって、仕事やお金のために生きているわけじゃない。生きる道は社会のレールではなく自分の側にある。自分の道を歩く途中で社会を通過する。社会が並行した道だったとしても必ず戻るのは自分の側だ。退職すれば自分の人生が待っている。 週末は愛知県津島市でトークイベントに参加した。津島市は10年前に空き家改修のために暮らし場所。津島市に…
・丸善京都本店、『人間はどこまで家畜か』刊行記念・熊代亨選書フェア ご好評いただいている『人間はどこまで家畜か』にまつわる本や問題意識が近い本を集めたフェアを、丸善京都本店さんで開催していただいています(ありがとうございます!)。そちらで紹介されている本については、京都丸善本店さんで実際に手に取ってみていただければと思います。 このブログでは、ぎりぎり選外になった本や、値段が高すぎたり難易度が高かったりして紹介をためらった本、諸事情から選外に漏れた本などをまとめて紹介したいと思います。 1.ちょっと重たいかもと思って紹介しなかった本 ヘンリック『文化がヒトを進化させた』 文化がヒトを進化させた…
2005年5月から2024年の現在に至るまで横浜でつづいている勉強会「土曜の午後のABC」の最初期の芸術全般を扱った講義をまとめて一冊にしたもの。上下二段組で本篇全437ページとボリュームは相当なものだが、内容的には平易な言葉でそれぞれの芸術家の基本姿勢とそれに向き合う鑑賞者がとるべき基本姿勢について諄々と語っているため、それほど重くはない。どちらかと言えばマイナーな対象について愛しむように語っているような雰囲気があり、読み手は自分が特に感応したものに関して自分で接してみようと思うようになりやすい。今はスマホですぐに調べながら読むことが可能なので、知らない作家の作品にすぐに接触できるのが心地よ…