musket(英)
http://dictionary.reference.com/browse/musket
- 歩兵用の、重くて大口径で滑腔の銃。16世紀に登場。現代の小銃の先駆け
- アメリカ長元坊の雄。学名Accipiter nisus
いわゆる「小銃」の元祖とも言うべき存在。登場から3世紀にわたって、単に「マスケット」と言えばそれは歩兵の持つ火器を意味していた。
後、銃身にライフリングが行われるようになり、さらに(それまでの先込めにかわる)元込め銃が登場する過程で、「マスケット」に替わって「ライフル」という語*1が歩兵の主武器を意味するようになった。
火薬を使う武器は本来非常に大きく、個人が取り回すことなど不可能であった。それでも火器の威力は弩とは桁違いの物であり、「ハンドキャノン」と呼ばれる前段階の物を経て、16世紀にはついにマスケットが登場した。
加工技術の未熟と火薬の質の低さ、それに発射方式などから小型化には自ずと限度があり、いわゆる.50口径(12.7mm)以上で長銃身のものとなっていた。
先込め式、muzzle-loader マズルローダーと呼ばれるものだった。
これは文字通り、銃口から発射用の火薬を流し込んで押し固め、その上からさらに球状の弾丸を押し込み発射する、という形式であった*2。このため、装薬量すら一定せず、しかも銃弾を押し込む以上は銃身との間に隙間があることになるので、つまりは貴重な火薬のエネルギーがそこから逃げていくということでもある。必然的に弾道も安定せず、命中精度はそれほど高い物とはならなかった。
「火縄銃」という言葉があるように、初期のマスケットは火薬に火を付けるために「火縄」(マッチロック)と呼ばれるものを使用していた*3。
といっても火縄に火を付けておいて、これが消えると発射できないというのはいろいろ困りものなので、いろいろな改良が試みられた。
結局火打ち石を使うフリントロックが登場し*4て、これがほぼ主流として君臨することとなった。
19世紀初頭に雷管を金属で叩いて撃発させる方式(パーカッション)が開発され、、これによって従来とは比較にならぬほどの安定動作が可能となった。
なお、火打ち石から解放されたことで、従来の火口から火薬に点火するというややこしいプロセスは不要となった。このため、金属製薬莢や椎の実状の弾丸の実用化などと相まって、後装銃の時代が訪れることになる。
「ライフル」という語は今日では小銃を意味するが、登場当時は文字通り、銃身にライフリングを行っているかどうかという意味でしかなかった。このため、ライフルマスケット(Rifled Musket)と呼ばれる、先込めだが旋条された銃身を持つマスケットも存在した*5。