ラテンアメリカ文学発祥の文章技法。魔術的リアリズムともいう。
現実と幻想(魔術)の世界を混合し表現することによって、神秘性にリアリティが、リアリティに神秘性が付加される。
具体的にいうと、全体としてありえないような幻想的な事柄に、自然主義的に猥雑で即物的かつ具体的な細部の描写を積み重ねることで、不思議なリアリティを与える技法、作風。
マルケスについていうと、大袈裟で神話的な想像力に駆動された、ラテンアメリカの不正確でセンセーショナルな報道や噂話、風説に見られる、細部はことごとく現実的で生活に密着したものなのに、語られていることは全体としてはとんでもなく幻想的という特徴をもととして、歴史的で政治的なラテンアメリカの空間を描き出すための神話的な物語性をたちあげるためにつくりあげられた方法論。