Miami Vice
政府の極秘情報が、麻薬密輸コネクションに漏洩した。マイアミ警察特捜課のソニー・クロケット(コリン・ファレル)とリカルド・タブス(ジェイミー・フォックス)は南米に飛び、麻薬密輸組織に潜入する。
1984年から5年間に渡って放送された人気ドラマ『特捜刑事マイアミ・バイス』の映画版。同テレビシリーズのクリエイターであったマイケル・マン自身によって監督された超大作となって、スクリーンに蘇る。
度重なるハリケーン被害によってスケジュールオーバー、予算オーバーとなった映画(一説には製作費2億ドルとも言われる)は、公開前の試写で酷評されたのでマイケル・マン久々の失敗作かと言われたが、蓋を開けてみれば大ヒットのオープニング成績を記録した。銃器にこだわるマイケル・マンらしく、緻密なアクション場面が早くも評判だが、暴力描写がきついとの批判も受けた。前作『コラテラル』同様にハイビジョン撮影による夜景も高評価となっている。
*1:Rated R for strong violence, language and some sexual content.
Miami Vice
米NBCのテレビドラマ。1984〜1989年に放映された。
プロデューサーのアンソニー・ヤーコヴィッチが、当時若者に人気のあったMTVに注目し、「MTV Cops」なる企画を立案。流行の音楽とクールな映像の刑事ドラマを作れないかと考えた。そこで刑事ドラマに実績のあるマイケル・マンに話を持ちかけ、かねてから潜入捜査官ものをやりたいと思っていたマンと意気投合。麻薬の売人に化けて囮捜査している刑事が主役という設定なので、衣装はアルマーニ、車はフェラーリ、住みかはヨットと、派手に出来て好都合でもあった。こうして人気刑事ドラマは生まれたのである。
主人公は白人刑事のソニー・クロケットと、黒人刑事のリカルド・タブス。ソニーはヨットに暮らし、エルビスというワニをペットとしている。素足にローファー、アルマーニという外見。一方のリカルドは兄弟を殺された復讐の為に、ニューヨークからマイアミに転勤してくる。毎回この2人の活躍を描くドラマであった。
フィル・コリンズ、チャカ・カーン、グレン・フライらの人気アーティストの楽曲を使用、ヤン・ハマーのテーマ曲はインストものにしては異例のナンバーワン・ヒットとなった。フィル・コリンズ、グレン・フライらはゲスト出演も果たしている。またマイルス・デイビスもゲスト出演している。
派手な外見と裏腹に、内容はハードでシビアなものが多く、アンハッピーエンディングを迎えることも珍しくなかった。主人公たちがいくら活躍しても、全ての悪が滅びる訳でもなく、世の中は浄化される訳でもない。だからこそ戦い続けるという、シリアスな内容だったのである。
マイケル・マンらしく最新鋭の銃器や銃撃アクションにもこだわり、ガンマニアからも高い注目を浴びた。
1985年 エミー賞 優秀美術賞 他
1986年 ゴールデングローブ賞 TVドラマ部門最優秀主演男優賞 他
2006年にマイケル・マン監督・製作・脚本、コリン・ファレル、ジェイミー・フォックス、コン・リー主演で映画化された
Miami Vice (1984-89 Television Series)
Miami Vice II: New Music From The Television Series Miami Vice